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ページ27

《バチュッ》

しかし宿儺は意に介せず、大蛇を一撃で引き裂く。

宿「言ったろう。

  広く使おう」

宿儺は伏黒の服を掴むと、空高く放り投げる。

伏「〜っ!!」

伏(呪術うんぬんじゃない!!

膂力も!! 敏捷性も!!)

宿儺の攻撃を、伏黒は鵺で防ぐ。

《ボグッ》

伏(格が違う!!)

宿「いい術式だ」



伏(鵺も限界だ。壊される前もって解いたほうがいいな。

生得領域を抜けるのに式神一通り使っちまった。しかも玉犬(白)は破壊されてる。もう呪力が____)

ズンッと音を立てて、宿儺が戻って来る。

宿「オマエの式神、陰ながらを媒体にしているのか」

伏「(バレた所で問題はない)ならなんだ

宿「フム。
(呪符を使うありきたりな術式ではない。応用も利く)

分からんな。

オマエあの時、何故逃げた」

伏「?」

宿「宝の持ち腐れだな。まぁいい。

どの道その程度では心臓は治さんぞ」

伏(バレバレか)

宿「つまらんことに命を懸けたな。
この小僧にそれ程の価値はないというのに」

虎 [じゃあなんで、俺は助けたんだよ‼]




不平等な現実のみが平等に与えられている

津 [誰かを呪う暇があったら、大切な人のことを考えていたいの]

疑う余地のない善人だった。誰よりも幸せになるべき人だった。それでも津美紀は呪われた。

俺の性別も知らず“恵”なんて名前をつけた父親は、今も何処かでのうのうと生きている。

因果応報は全自動ではない。
悪人は法の下で初めて裁かれる。

呪術師はそんな“報い”の歯車の一つだ。

少しでも多くの善人が、平等を享受できるように

俺は不平等に、人を助ける。


《ビリビリビリビリッ》

宿「いい。いいぞ。
命を燃やすのはこれからだったわけだ。

魅せてみろ!!伏黒恵!!」

伏「布留部由良由良…八握_!

…俺は、オマエを助けた理由に論理的な思考を持ち合わせていない。

危険だとしてもオマエの様な善人が死ぬのを見たくなかった。

それなりに迷いはしたが、結局は我が儘な感情論。 でもそれでいいんだ。

俺は正義の味方じゃない。呪術師なんだ。

だからオマエを助けたことを、一度だって後悔したことはない」

虎「…そっか。
伏黒は頭がいいからな。俺より色々考えてんだろ。
オマエの真実は正しいと思う。でも俺が間違ってるとも思わん」

伏「………」

虎「あー悪い。そろそろだわ。

Aに、ごめんって伝えといてくれ。

伏黒も、釘崎も、Aも、五条先生…は心配いらねぇか。

  長生きしろよ」

《ドサッ》

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作者名:一葉 | 作成日時:2021年3月15日 10時

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