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《バチュッ》
しかし宿儺は意に介せず、大蛇を一撃で引き裂く。
宿「言ったろう。
広く使おう」
宿儺は伏黒の服を掴むと、空高く放り投げる。
伏「〜っ!!」
伏(呪術うんぬんじゃない!!
膂力も!! 敏捷性も!!)
宿儺の攻撃を、伏黒は鵺で防ぐ。
《ボグッ》
伏(格が違う!!)
宿「いい術式だ」
伏(鵺も限界だ。壊される前もって解いたほうがいいな。
生得領域を抜けるのに式神一通り使っちまった。しかも玉犬(白)は破壊されてる。もう呪力が____)
ズンッと音を立てて、宿儺が戻って来る。
宿「オマエの式神、陰ながらを媒体にしているのか」
伏「(バレた所で問題はない)ならなんだ
宿「フム。
(呪符を使うありきたりな術式ではない。応用も利く)
分からんな。
オマエあの時、何故逃げた」
伏「?」
宿「宝の持ち腐れだな。まぁいい。
どの道その程度では心臓は治さんぞ」
伏(バレバレか)
宿「つまらんことに命を懸けたな。
この小僧にそれ程の価値はないというのに」
虎 [じゃあなんで、俺は助けたんだよ‼]
不平等な現実のみが平等に与えられている
津 [誰かを呪う暇があったら、大切な人のことを考えていたいの]
疑う余地のない善人だった。誰よりも幸せになるべき人だった。それでも津美紀は呪われた。
俺の性別も知らず“恵”なんて名前をつけた父親は、今も何処かでのうのうと生きている。
因果応報は全自動ではない。
悪人は法の下で初めて裁かれる。
呪術師はそんな“報い”の歯車の一つだ。
少しでも多くの善人が、平等を享受できるように
俺は不平等に、人を助ける。
《ビリビリビリビリッ》
宿「いい。いいぞ。
命を燃やすのはこれからだったわけだ。
魅せてみろ!!伏黒恵!!」
伏「布留部由良由良…八握_!
…俺は、オマエを助けた理由に論理的な思考を持ち合わせていない。
危険だとしてもオマエの様な善人が死ぬのを見たくなかった。
それなりに迷いはしたが、結局は我が儘な感情論。 でもそれでいいんだ。
俺は正義の味方じゃない。呪術師なんだ。
だからオマエを助けたことを、一度だって後悔したことはない」
虎「…そっか。
伏黒は頭がいいからな。俺より色々考えてんだろ。
オマエの真実は正しいと思う。でも俺が間違ってるとも思わん」
伏「………」
虎「あー悪い。そろそろだわ。
Aに、ごめんって伝えといてくれ。
伏黒も、釘崎も、Aも、五条先生…は心配いらねぇか。
長生きしろよ」
《ドサッ》
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作者名:一葉 | 作成日時:2021年3月15日 10時