11，サプライズ ページ11
豪華な入口からチラッと中を覗けばもう既に舞踏は始まっていた。
｢ほんなら行こか、お姫様。｣
『えぇ、よろしく。今宵限りの王子様。』
ゾムさんのエスコートしてもらいながら、私たちは会場の中に入った。
途端に会場がザワっとなるが、しばらくしたらそれも静まり、全体がまたリズムを取り戻していく。
｢踊りまで完璧やんなぁ｣
踊りながら、はえーとゾムさんが感心のため息をつく。
『中盤は繰り返しですからね。それに、ダンスは不得意な方でございます。』
回転する事に、日本特有のあの柄がふわりと舞う。刺した簪がシャンデリアの光を反射していい感じに揺れてることだろう。自意識過剰かもしれないが、絶対写真映え最高ですよ。
総統さんどこかなーと目が回る中、しばらく探していると段々と曲が終盤に差し掛かってきた。
最後はマニュアル通り腕を組んだまま綺麗に終わるやつなので、止まる前ののステップを踏んで、会場の沢山のペアと似たようなポーズを決めた
つもりだったんですが。
『っ！？』
突然、足を引っ掛けられて後ろに全部体重が持っていかれる。
と同時に、背中と足にゾムさんの腕が回ってきてグイッと体を寄せられ、足を持ち上げられた。
顎が天井を向いて、とてもじゃないけどゾムさんの方を見れない。
…
！？
なにがどうなったのか訳が分からないんですけど！？！？！？
あれ！？今イナバウアー的なあんな感じになってんの！？まじ！？！？
途端、会場が一気に騒がしくなる。
キャーだのワーだのが聞こえる中、物凄い罵声も聞こえてくる。
『ゾム様…この体勢…ぐ、ぐるしいです…』
｢んあぁ、すまんな。｣
するとゾムさんは、いとも簡単に踊る前の体勢に直してしまう。
余裕そうにしているゾムさんの耳がほんのり紅く見えるのは照明のせいだろうか、それとも長いダンスに息が上がったのだろうか。
｢お相手ありがとうございました｣
『ふふっ、ええ。こちらこそ楽しませて頂きましたわ。』
作り笑いではなくて、歯を見せてニカッと笑いかけてくるゾムさんに少しキュンときてしまった。そりゃそうだろ、イケメンに微笑まれたら誰でもなるわ。
ていうかなんだったんだ一体…。
まじクソビビりましたよ…。
すると、会話が終わるがいなやゾムさんの周りにはご令嬢様方がどっと押し寄せて来る。
あっ、がんば。(一瞬の裏切り)
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にゃーちゃん - めちゃくちゃ面白いです！更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (2023年2月24日 0時) (
レス) id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
巫癒(ふゆ)VII(プロフ) - もしかしたら私の携帯のバグかもしれませんが15話が非公開になっているのか見れないですよ！ (2021年12月9日 12時) (レス) id: b8ba81222f (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぷこーん(プロフ) - 画像見たいんですが、インスタかな？ログインしてなくて……浴衣見たいなのであってますか？ (2021年8月31日 21時) (レス) id: 23b3a74ded (このIDを非表示/違反報告)
かいと(プロフ) - zm…っっっっ可愛いー (2021年8月13日 7時) (レス) id: 1db53eb3b6 (このIDを非表示/違反報告)
かいと(プロフ) - 好きっっっっ！(唐突) (2021年8月11日 15時) (レス) id: 1db53eb3b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょーこ | 作成日時：2020年3月25日 19時
