Ending−2 ページ35
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5人でのポーカーがスタートした。
1戦目の親はさかたんで、カードのシャッフルに少々苦戦していた。
「代わりにやりましょうか?」
「えっ、ええ!自分でやれる!」
Aちゃんの申し出を断ったさかたんは、恥ずかしさからか顔が真っ赤になっていた。
そして、「……後で練習しよ」と独り言を呟いていた。
「よっしゃフルハウスー」
「俺ワンペアやったんやけど、しょぼすぎね?」
「まじで?俺はスリーカード」
「ダイヤのフラッシュです。Aちゃんは?」
「ダイヤのストレートフラッシュできました」
Aちゃんが手札をテーブルの上に開いて、僕らは「まじか!」「うっわさすがやなあ」「次は勝つ!」「凄いですね」と各々反応を示した。
2戦目、親はうらたんで、やっぱり1位はAちゃんだった。
3戦目も、4戦目も。浦島坂田船の中の順位は入れ替わるのに、Aちゃんだけはずっと1位を保っていた。
……ほんまに強すぎません?全然勝てないんですが。
――それでもええわ。負けっぱなしでもいい。
君といられるなら。
□■□
眠くなってきて、私は少し目を擦った。
時計を見れば、午前0時はとっくに過ぎていた。
ここに来た時点で23時30分前だったのだから当然といえば当然であるが、普段0時過ぎには寝ている私にとって、この時間に起きているのは結構辛かった。
「お、大丈夫ですか?寝ます?」
「はい……」
センラさんの優しい声につい、瞼を下ろしてしまって、彼がいる方に体が傾いた。
すぐに誰かが受け止めてくれて、私は恐らくセンラさんだろうと思いながら「すみません、ありがとうございます……」と目を閉じたままぼんやりと言った。
「か、構いませんけど……ん゛ん」
センラさんが何かを堪えるように咳払いをした。
半分夢の中にいる意識で「センラさん……?」と彼を呼べば、大きな手の感触を頭に感じた。
「なんでもないですよ。ゆっくり眠ってください。僕らがいますから」
……そっか。私はあの人から解放されて、そして皆さんがいてくれるんだ。
頭撫でられるの、すごく久しぶりだなぁ……。
「ありがとうございます……」
ふふ、と小さな笑みが零れて、その後はもう眠ったのだろう記憶がない。
今まで生きてきて一番くらいの、心地好い睡眠だった。
“センラずるいずるいずるい!!”
“う、動かさないでくださいよ起きちゃいますから!”
“そこ代われセンラ”
“センラくん代わって”
“絶対イヤ!”
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ノア(プロフ) - のんさん» ありがとうございます!!これからも頑張ります!^^* (2020年8月11日 14時) (レス) id: 17af415a1e (このIDを非表示/違反報告)
のん - とっても面白かったです!こんな素敵な作品を読ませていただきありがとうございます!「ポーカーフェイク」の歌詞と物語の内容がぴったりと合っていて、すごいと思います!これからも作品作り、頑張ってください!(長文失礼しました) (2020年6月10日 22時) (レス) id: d1f95d9fc5 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - ひよりさん» コメントありがとうございます!初めてなんて光栄です……!曲をテーマにした小説で歌詞の使われ方に違和感ないと言っていただけるの一番嬉しいのでそれも本当に嬉しいです(;///;) ありがとうございます、是非他作品もこれからもよろしくお願いします! (2020年3月18日 22時) (レス) id: 97e24364b3 (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - 占ツクで初めて感想書いてます!曲の歌詞が違和感なく使われていて、思わず「すごっ!かっこいい!」と1人で騒いでました。笑 占ツクで感想書きたくなるくらい良い作品に出会ったのは初めてです!その文才が羨ましい...。ほかの作品も読んできます!応援してます! (2020年3月14日 3時) (レス) id: d25668dc8d (このIDを非表示/違反報告)
ミルクショコラ - 私もよく本を読んで一人で笑ってしまいます。読んでなくても思い出し笑いをしてしまいます。。。笑 なので、極力マスクをするようにしてました笑 話、楽しみにしています! (2020年3月5日 13時) (レス) id: a2c6795623 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノア | 作成日時:2019年5月1日 0時