1stラウンド ページ4
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俺達4人と少女は、一つの楕円形テーブルを囲む形で席に着いた。
「ではまず、『ボタン』を決めましょうか。仮の親はうらたさん。貴方にお願いしていいですか?」
「……何故だ?それにどうして俺の名前を知っている」
「貴方が4人のリーダーに見えましたので。違いましたか?」
少女がにこっと微笑む。名前のことについては触れなかった。
まあ俺達4人の存在を知っていたわけだし、その際に名前も調べたとかそんなところだろう。
「違わない。俺がやる」
俺はトランプの束を手に持ち、52枚あるそれを1枚ずつ皆に配っていく。
最初に【ダイヤのJ】が配られたプレイヤーが『ボタン』、つまりディーラーとなる。
「……あ、俺や」
ぼそりと呟いたのはまーしぃ。
まーしぃはカードを回収し、『DELLER』の目印を近くに置いて、束にしたトランプをよくシャッフルする。
「あ、すみません、一ついいですか?」
少女が不意に発言した。
「私も裕福な方ですが、恐らく貴方達には負けてしまいます。そこで、ゲームで使用するチップの枚数を制限したいんです」
――なるほど、と俺は思った。
仮に俺の所持金が1000万、彼女の所持金が500万だとする。その場合、俺が800万分のチップを賭ければ、彼女はオールイン(己が持つチップを全て賭けること)をすることでしかゲームを続行できない。
加えて負けた場合、手持ちが0になるので、再戦も不可能。
……勝ちしか見えてねぇのかと思ったけど、俺達に負けることも考えてるみてぇだな。
「うらたさんは何か勘違いをしてらっしゃるようですね」
「あ?なんか言ったか?」
「いえ、何でも」
彼女は柔らかく微笑んだ。
やはりその微笑は綺麗で、思わず
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ノア(プロフ) - のんさん» ありがとうございます!!これからも頑張ります!^^* (2020年8月11日 14時) (レス) id: 17af415a1e (このIDを非表示/違反報告)
のん - とっても面白かったです!こんな素敵な作品を読ませていただきありがとうございます!「ポーカーフェイク」の歌詞と物語の内容がぴったりと合っていて、すごいと思います!これからも作品作り、頑張ってください!(長文失礼しました) (2020年6月10日 22時) (レス) id: d1f95d9fc5 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - ひよりさん» コメントありがとうございます!初めてなんて光栄です……!曲をテーマにした小説で歌詞の使われ方に違和感ないと言っていただけるの一番嬉しいのでそれも本当に嬉しいです(;///;) ありがとうございます、是非他作品もこれからもよろしくお願いします! (2020年3月18日 22時) (レス) id: 97e24364b3 (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - 占ツクで初めて感想書いてます!曲の歌詞が違和感なく使われていて、思わず「すごっ!かっこいい!」と1人で騒いでました。笑 占ツクで感想書きたくなるくらい良い作品に出会ったのは初めてです!その文才が羨ましい...。ほかの作品も読んできます!応援してます! (2020年3月14日 3時) (レス) id: d25668dc8d (このIDを非表示/違反報告)
ミルクショコラ - 私もよく本を読んで一人で笑ってしまいます。読んでなくても思い出し笑いをしてしまいます。。。笑 なので、極力マスクをするようにしてました笑 話、楽しみにしています! (2020年3月5日 13時) (レス) id: a2c6795623 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノア | 作成日時:2019年5月1日 0時