Interlude−7 ページ26
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『……こいつら……。って、ちゃうやろ!この子に用あって来たんやないですか僕ら!』
金髪の人が私を手で指して言った。
『あ、そうだった』
『ほんまや!』
『センラさんいじり楽しくて忘れてもーてたわ』
『志麻君あとで覚えとき』
『なんで俺だけ!?』
ガーンッと紫髪の人がショックを受けて、茶髪の人と赤髪の人が笑う。
本当に、楽しそうに会話する人たちだと思った。
『お前らは……!』
左隣のおじさんが恨めしそうに呻いた。
4人全員が同じくらいのタイミングでそのおじさんを見る。
先陣を切るように、茶髪の人がニコッと笑顔になった。
『どーも、うらたぬきです』
『志麻でーす』
『坂田!』
『センラです』
『『『『4人合わせて、浦島坂田船でーす』』』』
うらしまさかたせん?
ぽかんと4人を見つめる。その中で目が合った赤髪の人が笑顔で手を振ってくれたので、私はぴょこんと頭を下げた。
『そのふざけたグループ名……間違いねェ。
『っくはは。何、俺らそんな風に言われてんの。うける』
『うらたん、確かにうけますけど今は』
『わぁってるよ』
茶髪の人が私に向き直ってくる。
“怖い”という感情が沸き起こってびくっと体が震えたけど、茶髪の人はお構いなしに前にしゃがんできて下から私を見上げ、すごく優しい顔で笑った。
『ね、君、ルールわかんないの?』
私は色々混乱して、すぐに答えられなかった。
なのに茶髪の人は苛立つ様子もなく、優しく笑うまま待っていてくれる。
うらたぬき、さん。……だったな。
『……わからないです』
『そかー。じゃあさ、俺らルールわかるから、仲間にしてみない?俺らのこと』
『ええな!おっさんらーがやるんやったらその子の手札分かってまうもんな』
『さすがうらたんやわー』
『僕には思いつきませんでしたわ』
口を挟む隙を与えないかのごとく次々に言葉を重ねる「さかた」さん、「しま」さん、「せんら」さん。
おじさんたちは、何か言いたいけど言えない、みたいな顔で黙っていた。
『異論あるやーつ』
『…………』
『いねえな。じゃ、そーゆーことで』
うらたぬきさんがいたずらっ子のように笑い、「うらしまさかたせん」が私の周りに集まった。
え、え?
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ノア(プロフ) - のんさん» ありがとうございます!!これからも頑張ります!^^* (2020年8月11日 14時) (レス) id: 17af415a1e (このIDを非表示/違反報告)
のん - とっても面白かったです!こんな素敵な作品を読ませていただきありがとうございます!「ポーカーフェイク」の歌詞と物語の内容がぴったりと合っていて、すごいと思います!これからも作品作り、頑張ってください!(長文失礼しました) (2020年6月10日 22時) (レス) id: d1f95d9fc5 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - ひよりさん» コメントありがとうございます!初めてなんて光栄です……!曲をテーマにした小説で歌詞の使われ方に違和感ないと言っていただけるの一番嬉しいのでそれも本当に嬉しいです(;///;) ありがとうございます、是非他作品もこれからもよろしくお願いします! (2020年3月18日 22時) (レス) id: 97e24364b3 (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - 占ツクで初めて感想書いてます!曲の歌詞が違和感なく使われていて、思わず「すごっ!かっこいい!」と1人で騒いでました。笑 占ツクで感想書きたくなるくらい良い作品に出会ったのは初めてです!その文才が羨ましい...。ほかの作品も読んできます!応援してます! (2020年3月14日 3時) (レス) id: d25668dc8d (このIDを非表示/違反報告)
ミルクショコラ - 私もよく本を読んで一人で笑ってしまいます。読んでなくても思い出し笑いをしてしまいます。。。笑 なので、極力マスクをするようにしてました笑 話、楽しみにしています! (2020年3月5日 13時) (レス) id: a2c6795623 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノア | 作成日時:2019年5月1日 0時