. ページ3
.
｢…誰。｣
｢冷た！そんな怖い顔しないでくんね？(笑)｣
…誰 この人。
��変な人��
それが、第一印象だった。
｢暇なの？お兄さん｣
｢お！よく分かってんじゃーん！｣
「はあ？」
見た目は…若い、と思う。
お盆の飲み会のノリで、罰ゲームでもさせられてるんだろうか。だとしたらちょっと可哀想。
やけに上機嫌で、たまにいる飲み会帰りのダルいおっさん客みたいな雰囲気に
なんかめんどくさそうなの来ちゃったな。さいあく。なんて
小さくため息をついた。
「入り口ならあっちですよ」
「え？あー別にこの店に用とかないよ俺！」
「は？」
ならここに何しに来たんだよ。と言いたいのは我慢して、早くどっか行かないか願ってみる。
けどそんな私の願いとは裏腹に
��さっきから は？しか言わないじゃん！��とかなんとか言いながらケラケラ笑っているその人は
ドカッと勢いよく、私と同じように
真隣の駐車ブロックに腰掛けた。
「…ねえ、ケーワイなの？」
「は？なにそれ」
「KY！！
��く��うき��読��めない！！
お兄さんみたいな人のこと！！！」
ったく、もう。
久しぶりにお腹から出た声に、イヤな体力の燃費の仕方したな。なんて思っていれば
隣から、ケラケラとまた笑い声が聞こえてきた。
「なんで笑ってんの。意味わかんない」
「いや？(笑)おもしれーなーって」
？何がだっての。
せっかくの休憩時間なのに、無駄な過ごし方なんてしたくない。
「気に入った！お前、なまえは？」
「なんで教えなきゃいけないの」
「だってなんて呼べば良いか分かんないもん」
「…」
「…じゃあ俺が先に教える。
ぱ、…じゃない、噛んだわ(笑)
わくって呼んで、よろしくな。」
にっ、と笑ったその顔は、悪い人ではなくて。
…まあ、フルネームじゃないならいいか。なんて、
「…A。」
湧 「、、Aな！良い名前じゃん！よろしく、」
「なにその間、」
湧「言われてみればそういう顔してんなって思ったんだよ！」
「へえ。」
なんでもいいけど早くどっか行ってよ。
すっかり吸う気の失せたタバコ。
まだ割と残っていたのに、地面にぐりぐりと押し付けて消してしまった。
自分で消したくせに、一本無駄になってしまった気がしてやるせない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 382人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
スイ.(プロフ) - リリーさん» こちらこそ読んでくださり、そしてコメントまでしていただきありがとうございます☺️そう言っていただけてとっても嬉しいです…！これからも楽しみをお届けできますように🌟 (8月18日 20時) (
レス) id: e6a739559e (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - 本気で涙が溢れ出した作品でした。素敵な作品をありがとうございます😭 (8月16日 20時) (レス) @page27 id: 96d2fca65a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：スイ. | 作成日時：2023年8月12日 23時
