１day left ページ11
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「ありがとうございましたー、」
『ほら、お姉さんにありがとう、は？』
『おねえちゃんあいすありがとう！』
「いいえ〜、また来てね」
私、レジ通しただけなのに。
小さい子ってば、なんであんなにかわいいんだろう。
あの子がお盆玉たくさんもらえてますように。なんて、車に乗り込んでいく親子に小さく手を振りながら眺める。
「Aさんって、まじで対応丁寧っすよね」
「……そ？」
私はあなた以上に丁寧な人知らないんだけど。
お客さん一人一人とちゃんと目合わせて会話してるし、無愛想な瞬間見たことないし。
私がお客さんなら、絶対にいい気分で帰れる店員ナンバーワン。……とか言ったら調子に乗り出すから、絶対に言わないけど。
「だってこの前もおばあさんのカゴここまで持ってきてあげてたし、商品も一緒に探してあげるし
あと今みたいなちっちゃい子にも優しいし。」
「別に普通だし。…そんな見てこないでよ」
「照れてんすか？(笑)」
「うるさ、」
嬉しいはずなのに、素直に嬉しい ありがとうって言えない、天邪鬼な自分がきらいだ。
それなら否定しなきゃいい話だけど
もうとっくの昔から癖になってしまっているから、今更どうにも出来ない。
「あ、そういえばAさんって何人家族でしたっけ？店長がご実家からたくさん桃送られてきたらしくて、家族分持ってっていいって言ってましたよ」
「…お母さんと2人。私、兄弟とかいないし。
あんたは？」
「俺すかー？両親と弟合わせて4人っすね！」
「じゃあ4つかあ、いいなあ」
奥からちらっと見せられた桃の入った箱。
鼻を掠めたその甘い匂いに、一瞬でお腹が空いてきた気がする。
「もし良かったら１つ俺の分もらってください。4つは流石に多いんで。」
「え、…いいの？」
「はい！袋入れときますねー」
「あ、2つと1つで…分けといてほしい」
「？了解です」
一応。
今日も来るかもしれない、あの人の分。
気付けば私は貴方の顔を思い浮かべて
月明かりの下
鼓膜が響く瞬間を＿＿＿待ち望んでいた。
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スイ.(プロフ) - リリーさん» こちらこそ読んでくださり、そしてコメントまでしていただきありがとうございます☺️そう言っていただけてとっても嬉しいです…！これからも楽しみをお届けできますように🌟 (8月18日 20時) (
レス) id: e6a739559e (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - 本気で涙が溢れ出した作品でした。素敵な作品をありがとうございます😭 (8月16日 20時) (レス) @page27 id: 96d2fca65a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スイ. | 作成日時：2023年8月12日 23時
