110話~2人~ ページ6
みんなが去った後の廊下はとても静かだ。
私達は体育館の横、自動販売機とベンチがある休憩スペースに座っていた。
…ここにいても、体育館の熱気は、声は、伝わってくる。
ずっとそわそわしている谷地さんに申し訳なく思った。
貴「ごめんね、観てきていいよ。試合」
谷地さんはびっくりしたようにこちらを見た。
谷「いっいえ！！大丈夫であります！」
貴「…蛍に怒られるの、怖い？」
谷「そんな、とんでもない！
私は月島君に頼まれたからじゃなくて、
先輩といたいからここにいるんです！」
貴「…そっか」
去り際にかけられた蛍のジャージをキュッと握る。
貴「…昔さ」
谷地さんは、黙って聞いている。
貴「ラムネだと思って錠剤食べて、あろうことかそれを喉に詰まらせたんだよね」
谷「A先輩にも、そういう時期があったんですね…」
貴「だいぶ昔のことだけどね。
幸いすぐ治ったんで大丈夫だったけど、あの時は本当にこわくて」
1番に気付いた明光のひどく焦った顔を、今でも鮮明に覚えている。
貴「あれから薬はダメ」
ついでにラムネやアメも苦手。
貴「…こんなこと自分から人に言うのは初めてだな」
谷「じゃ、じゃあ私が1番ってことですね！
先輩は普段あんまり自分の話しないので、聞けて嬉しいです！
どんな小さなことだったとしても」
屈託ない笑顔を向けてくる谷地さんに負け、私達はいろいろな話をした。
みんなはきっと勝つ。
そう信じて疑わず、何の心配もせずに。
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ミズキ(プロフ) - とても面白くて一気に読んでしまいました。 続き、 楽しみにしているので更新頑張ってください。 (2021年3月1日 12時) (
レス) id: 4f6def3224 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 更新待ってます！！ (2020年3月18日 23時) (レス) id: 8efb03cbb1 (このIDを非表示/違反報告)
月海(プロフ) - つなさん» コメントありがとうございます！更新が遅くなることもあると思いますが、今後もこの作品をよろしくお願いいたします！ (2018年7月12日 7時) (レス) id: 7e767b804e (このIDを非表示/違反報告)
つな - ツッキーィィィィィィィィィィ!!!!!!めっちゃ面白い！これからも頑張ってください！応援してます！ (2018年7月12日 7時) (レス) id: 4599e4e8f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月海 | 作成日時：2018年7月11日 23時
