15話 ページ16
ダンボール箱やら達磨やらを運ぶ人波をかき分け、吽形ちゃんに連れられて先程の門を目指す。
数時間でだいぶ打ち解けたのか、吽形ちゃんは色んなことを教えてくれた。
『ねぇあれ何？』
「射的だよ。だるま打ち落として、多い方が勝つ」
『射的ってそんなルールだったっけ？』
「達磨一家式なの！」
ほえーなんて間の抜けた声を出して、じゃあアレはなんだ、アレは？と指さして教えを乞う。
もう少しだけ、この地区の空気を吸っていたかった。
素直に答えてくれる吽形ちゃんに感謝しながら、チカチカと眩しくて騒がしい場所を肌で感じる。
門の前につくと、やっぱり寂しくなってきた。
日向ちゃんに次会えるのは何時だろう。
今日はたまたま会えたけど、また風のように消えてしまうとも限らない。
「おら、ついたぞ」
『うん、ありがとね吽形ちゃん』
門の前には来た時のように白い法被の方が二人いて、そのうちの一人は見たことない方だった。
日向ちゃんと同じくらいの背丈の彼は、私を見ると「おぉ！」と声を上げて駆け寄ってくる。
「お前が例の鬼邪高生か！」
『え、あ、ハイ！どうも！！』
白法被ってことは、さっき吽形ちゃんが言ってた4人のうちの最後の一人かな？
キラキラとした金髪が、白い法被によく映える。
「おい
「うるせぇなぁ…
あ、雷太っていうのか。
こっちは風と雷…えーと、風神雷神？
日向ちゃん対になる名前好きだな。
もしや左京さん右京さんのせいか。
「もぉ〜今から送るから俺ら通せお前ら〜！！」
ちゃんと門番しなさい！と吽形ちゃん。
プクッと頬をふくらませて手を叩く姿はどこか幼い。
顔がいい人しか許されない表情してる。くそう。
へーい…なんて返事を揃えて、門の見張りに戻った風神雷神の2人に笑ってしまった。
何だか兄弟のようだ。
『ありがとね〜吽形ちゃん！んじゃ、また』
「え？いや、車乗ってけよ」
当たり前のように鍵をズボンから取り出した彼。
いや、私バイクだよ。
「ここで帰したら絶対お頭に怒られるの！
大人しく送られとけ、な？」
子供は暗い中出歩いちゃいけません。
なんて、得意げに言ってくる吽形ちゃん。
優しいけど私子供じゃないよ。
それに、定時制なんだから夜道くらい慣れてるし…。
「頭から直々に頼まれたし、ちゃんと目的地まで送るって」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 63人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
＊ haru ＊(プロフ) - 秘密さん» こんばんは！アカウントを変えての返信失礼します。ご要望ありがとうございます〜！検討させていただきますね！！コメントすっごく嬉しいです。スローペースではありますがこれからもよろしくお願いします(^ ^*) (2022年5月5日 0時) (
レス) id: 617f42f7f0 (このIDを非表示/違反報告)
秘密(プロフ) - はじめまして、いつも楽しく読んでいます！日向ちゃん推しなので、彼含め一家のメンバーとわいわい絡みがあって嬉しいです^^*主人公ちゃんのお名前も可愛いのですが、もし可能であれば変換機能つけていただければとても嬉しいです！今後も応援しております♡ (2022年4月29日 4時) (レス) id: ae28a74860 (このIDを非表示/違反報告)
Iru(プロフ) - るいさん» るいさん、はじめまして！素敵なお言葉ありがとうございます; ; スローペースの更新となってしまっていますがどうぞ作品を愛していただければと思います！頑張ります！！ (2021年3月28日 11時) (レス) id: 3fe2b5f711 (このIDを非表示/違反報告)
るい - 好きです。頑張ってくださいませ。 (2021年3月28日 5時) (レス) id: 35ed4ffefd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：haru x他1人 | 作成日時：2021年3月18日 22時
