#33 ページ37
Aside
「で、何でそんなブルーなの。
鬼邪高だけに」
「…ん？」
「分かんないのかよ！？じゃあ俺ただのめっちゃ恥ずかしいやつじゃんか〜」
「ごめん。笑
でもありがとう。お陰で気分が軽くなったよ」
「…ならいいけどさ、
一体何があってそんな気分が落ちてるの」
焼き終わった肉をモグモグしながら、私を見つめて訊いてくる村山くん。
そんな村山くんに、私はワケを話したいと思った。
「…高城司くんっているの知ってる？」
「えっと…眠れる獅子ちゃん？」
彼はそんなキャッチフレーズが付いているのか。笑
「多分その人。
で、その司くんが色々あって学校に来なくなっちゃって」
「ふうん、」
「彼が来なくなったから気分が落ちたのは勿論、そんな彼がとある人に似ていて」
「…とある人？」
案の定、村山くんは小首を傾げる。
「うん。その人は、私にとって大切な人なんだけど、ある事件を境にいなくなって。
だから司くんも嫌でもその人に似ついちゃって、
失ったような気がして…辛くて、」
こんなことを言うだけで、涙が溢れそう
だから俯く私に対して前の村山くんは
ねえA、と呟いた。
「…俺が今のを聞いて率直に思ったことを言うわ。
A、馬鹿？」
改めてこうやって面と向かって言われると地味に傷つくな…
「Aって格闘技は強いらしいけど、『ここ』は弱いんだね」
ここ、って言った時、村山くんは自身の心臓を
トントンと拳で叩いた。
「そんなAに質問。
鬼邪高みたいな不良校があります。
そこでは、喧嘩は強いが失うことを恐れている奴と
喧嘩はまあまあで、失うのは確かに嫌だがそんな現実もちゃんと受け止めて戦える奴。
どっちの方が『アタマ』になれると思う？」
「…テッペンは喧嘩強さだけでなれるものじゃない、精神的な強さも必要だから
後者じゃないかな、」
昔、そんなことを尊龍さんに言われたのを鮮明に覚えている。
すると村山くんはにっこり笑って
「だいせいかーい。よく分かってんじゃん」
「…どうして？別に私は、」
「そうじゃなくとも、これは人として大事なことでしょー。
…まあ要は、誰でも生きてくうえで
『ここ』の強さは必要なわけ。
ここが強くない奴は、土台のなっていない建物のように、ちょっとしたことで簡単に崩れる」
まさに今のA、って私に指を差して言った彼に、何とも言えなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1236人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はるまき(プロフ) - 聖菜さん» 私も長くなってすみません。 本当に今後の励みにもなります。ありがとうございます。聖奈さまも娘さんもお身体にはお気をつけてください！作者も精進して行けるよう頑張ります。笑 本当に嬉しいお言葉、ありがとうございました！今後もよろしくお願い致します。 (2019年10月13日 22時) (
レス) id: 6261451d3b (このIDを非表示/違反報告)
はるまき(プロフ) - 聖菜さん» 聖奈さまがこの小説で元気になって頂けて、やりがいを感じると共に、とても私事のように私も嬉しいです。笑 お気にかけて下さりありがとうございます。体調管理に気をつけて頑張って更新していきます！笑 (2019年10月13日 22時) (レス) id: 6261451d3b (このIDを非表示/違反報告)
はるまき(プロフ) - 聖菜さん» ありがとうございます、そう思って頂いて本当に嬉しいです。笑 本当に良かったです！私の小説でそんなお言葉を頂ける日が来るなんて、思っても見ませんでしたから驚きと感謝の気持ちでいっぱいです。 (2019年10月13日 22時) (レス) id: 6261451d3b (このIDを非表示/違反報告)
はるまき(プロフ) - 聖菜さん» こちらこそ初めまして！読んで頂いてありがとうございます。娘さんも読んで下さっているなんて光栄です。笑 そうだったんですね…。 (2019年10月13日 22時) (レス) id: 6261451d3b (このIDを非表示/違反報告)
聖菜(プロフ) - 最後になりますが、お体には気を付け更新頑張って下さい。心から応援しております。こんなながながとした文章申し訳ありません。では失礼致します.聖菜 (2019年10月13日 21時) (レス) id: b2916b18f0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はるまき | 作成日時：2019年7月21日 9時
