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ーー ？？サイド ーー
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それが、幼い頃から見てきた彼奴の印象だった
人形の持ち主はただ1人
加え、その持ち主が裏社会を牛耳る男であった故に、人形に好んで近づく奴はいなかった
だから、幼い俺は心底喜んだ
人形を独り占めに出来るという優越感に浸れたからだ
しかし、独り占め出来た期間はあまりにも短いものであった
何故ならば、その綺麗な人形は気持ち悪いほどに人を惹きつけたから
俺の嫌いなあの包帯無駄遣い装置も赤髪野郎も教授眼鏡までもを…
人形は…惹きつけてしまった
そして、人形が惹きつけた者達により、人形は徐々に意思を持ち始めた
よく笑い
よく喋り
よく表情を変えるようになった
俺は其れが許せなかった
後から来た奴らに人形を横取りされ、気分が良くなかったのもある
だが、それ以上に、人形が関心を向ける対象が徐々に広くなっていく事が酷く不愉快でもあった
大人になってしまった俺が人形へ抱える、その感情の意味を知った時、それはそれは酷く絶望したものだ
自分でも嫌になるほどの憎悪の念に胸をかきむしった
違う！
この感情は俺のせいではない！
人形が変わってしまったせいだ！
幼い俺が見たあの
何故俺が求めていた理想とかけ離れていく…？
手前ぇは一体、誰の者になっちまったンだ…？！
そんな感情と共に怒りは日に日に増していく
全てを知り、感じてしまった俺には、人形を変えてしまった奴らが憎くて憎くて仕方がなかったのだ
だが、人形が変わっていく姿を止める術を俺は持ち得ていなかった
だから、気づいた時には手遅れだった
人形はいつしか人になっていた
夢を見る��人間��に
だが、其奴の夢は実現される事なく終焉を迎える
殺したくなるほど憎らしかった赤髪のあの男が死ンでしまったからだ
それでも尚、其奴が再び人形の座に戻る事はなかった
全てを失った其奴は、残った全てを捨てて俺の元から去っていった
何一つ、思い出を残す事なく、俺にたった一つの��歪み��を与えて
もう、戻れないトコまで来ちまった
今更、真っ当な道を歩む気はない
だから我慢も、もうしない
例えその選択が手前ぇの全てを奪ったとしても…
「手前ぇの望みを俺は全て、否定する」
人形は人形らしく俺の側から離れるな
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ごまだれ - 一気読みしたけどめちゃめちゃ面白かった！この小説ほんと好きです！ (8月20日 15時) (
レス) @page33 id: d280296ddc (このIDを非表示/違反報告)
ゆち - 更新しないんですか？面白いので続きみたいです (2021年9月18日 23時) (レス) id: 965039a2b8 (このIDを非表示/違反報告)
おはぎ - 続きが気になります…！！！ (2020年11月20日 13時) (レス) id: 773f6d4603 (このIDを非表示/違反報告)
暁月 - わあああああ！！！！更新ありがとうございます…！！じっくり読ませていただきますね…！ (2020年4月28日 21時) (レス) id: b7a49d6e6e (このIDを非表示/違反報告)
ピリオド - あっ、好き……です。更新大変だと思いますがお身体に気をつけて下さいね！ (2020年1月12日 8時) (レス) id: 704c3ea7dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沖縄県産マンゴー
| 作成日時：2018年6月8日 5時
