男性恐怖症の私が株式会社Ｓに入り、また、一から……やり直します…。

第245話 私に出来ることなら！ ページ18

___________________

貴｢ただいまー！｣

私が家に着いたのは、もう夜の20時だった。
…？なんか、リビングが騒がしい…？

私は、なんだろうと思い、リビングのドアをゆっくりと開けた。

達央｢おー！おかえり！｣

貴｢ただいまです。｣

友梨奈｢お帰りなさい！今、Ｓの新人さんが来ていらしているんですよ？｣

あぁ〜だから、こんなに賑わっていたんだ！

天野｢あ！Aさん！よろしくお願いします！！天野七瑠です！｣

貴｢よろしくお願いします！！｣

佐藤｢Ｓ、揃ったね！七瑠はまだ荷物届いてないよね？｣

天野｢あ、はい！｣

佐藤｢なら今日は…そうだな…。｣

千春｢俺のとこなら空いてますよー？｣

佐藤｢お！じゃあよろしく！｣

天野｢？？｣

佐藤｢今日はあの人のところに泊めてもらってくれない？｣

天野｢あ、はい！｣

千春｢一応部屋に案内するよ。｣

佐藤｢うん。よろしく！｣

天野｢お願いします！｣

そう言ってふたりはリビングを出ていった。

蒼井｢Aちゃん…。｣

貴｢…？何？翔太兄。｣

蒼井｢ｯ…！ちょっと…いい？｣

貴｢…？うん。｣

なんだか、様子がおかしい。

私は翔太と一緒に私たちの部屋に行った。

蒼井｢…僕ね…今日…みなさんに迷惑かけちゃった…。監督にも怒られて、美風藍はもうできないって、そう言われた…。確かに…僕もそう思うんだよ…。でも、皆、何故か期待に溢れた目をしていて…それが怖くて…。｣

貴｢…翔太兄は…声優をやめたいの…？｣

蒼井｢ｯ…！やめたいよ…。｣

そう言った翔太の声は…空っぽだった。

貴｢…。｣

蒼井｢やめたいよ…。やめたいけどｯ…！今ここでやめたら、すごく後悔すると思うんだ…。記憶が…｣

貴｢…？｣

蒼井｢記憶がね…？今日、少しだけ…戻ったの…。気のせいだって思ったけど…ここにいたら、
もしかしたらって、思っちゃうんだよｯ…！｣

貴｢…！｣

翔太は、記憶を取り戻したいの…？

蒼井｢取り戻したいんだ…。今までの僕を…。君のことを、どんなふうに愛していたとか…そのほかのことも全部。そうすれば…また、みんなに迷惑なんてかけなくなるかもしれない…。｣

やっぱり、最後はそこにたどり着くんだね…。

でも、どんなことが理由でも、取り戻そうとしてくれていることはすごく嬉しい…。

貴｢そっか…。私に、何が出来るのかわからないけど…何か、力になれたらいいな…。｣

蒼井｢ありがとう。｣

第246話 また、戻れるかな…？→←第244話 僕の弟…？

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す