第186話 家族が、羨ましい…。 ページ6
蒼井「わぁ…。綺麗だね…。」
貴「うん…。」
し…んと、ゴンドラの中が静まり返る。
蒼井「今日は、ありがとね。楽しかった。」
貴「うん…。そうだね…」
蒼井「ぁ…また、どっかに遊びに行こうよ!!」
貴「…いけたら…ね。」
蒼井「…。A…。」
貴「…ん?」
蒼井「また、一緒に…行って欲しい所があるの。」
貴「…どこ?」
蒼井「…僕の地元。」
貴「…。」
蒼井「僕の家族に、君を紹介したい!」
貴「…いいよ。」
家族…か…。
いいなぁ…。
貴「…本当の家族…いいね。本当の家庭は…どんなのだった?」
蒼井「…え…。」
貴「…私には、本当の家族が分からない。公園で遊んだり、旅行に行ったり、一緒にご飯を食べたり、一緒にテレビを見て笑ったり…遊園地にも行くの…?」
蒼井「ぁ…そうだよ…。…僕は、幼い頃からこの声が嫌いだった。この声でいじめられた。この声が憎かった。でも、僕の家族は、いじめられて学校にも行かなくなって、部屋に閉じこもった僕をずっと励ましてくれていた。」
貴「…そう…。私は…励まされたことなんか一度もない。家族…?そうじゃなかった…。私はタダのお父さんのおもちゃだった。」
蒼井「…。」
貴「Sに入って、初めて「家族」というものが分かった。…新田さんに呼ばれて行ったら、「ピアノ弾こう」って言ってくれて、μさんのところに行くと「買い物にいこう」って誘われたり、Feylanさんと佐藤さんのところに行くと「ご飯できたよ!」って言ってくれる…。そして、翔太のところに行くと、いつも抱きしめてくれる…。その日常がとても好きだった。」
蒼井「…。」
貴「…だから、私はこのままでいいのか、分からなくなる…。」
家族って…何…?
そう言った私には、一筋の光が頬を伝っていた。
蒼井「そうだよ…?そのままでいいの。Aはそのままで。何があっても、僕が守る…!僕は君のお兄ちゃんでもあるし、彼氏でもあるから!」
貴「ふぇ…?」
すると、ゴンドラが止まった。私たちが一番てっぺんまで来た。
蒼井「…。見て、A…。月が…綺麗だよ…。」
すると、翔太はポケットから何かを取り出した。
蒼井「…ごめんね…少し、早いかもしれないけど…。」
弱々しい声でそう言うと、次は真剣な顔で私を見た。
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一松大好き - しょうたんが記憶を無くして「誰?」と言うところが泣きそうになりました。 (2016年8月17日 6時) (レス) id: 947c26b20a (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - すごく、泣けます(。´Д⊂) 楽しみに待ってます! (2016年4月5日 18時) (レス) id: e291531201 (このIDを非表示/違反報告)
蒼い鳥 - 続きがものすごくきになります!しょうたんが早く記憶お取り戻して欲しいです (2016年4月4日 18時) (レス) id: e725e1b045 (このIDを非表示/違反報告)
蒼井藍(プロフ) - もうすでに泣いてるのですが(´ ; ;`) 涙腺が・・・しょーたんはやく記憶取り戻して!! 更新がんばってください! (2016年4月3日 23時) (レス) id: 3b9b9f7ca2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼い鳥 - なんか、しょうたんが元気でよかった!早く次がみたいです(≧∇≦) (2016年4月2日 22時) (レス) id: e725e1b045 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:最先端の消しゴム | 作者ホームページ:
作成日時:2016年3月9日 17時