第222話 貴方の道…。 ページ42
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みんなが出ていき、残ったのは私と翔太だけだった。
蒼井「…。」
佐藤「…どうしてあなたが声優になったか…知りたい?」
蒼井「…はい…。」
佐藤「…貴方が声を嫌ってることは、みんな知ってる。でも、その声を、友達に褒められて、そこから歌を歌う、声を使う仕事に就きたいと言ってきたのは貴方自身よ。」
蒼井「僕が…?」
どうして…。
そんな声が聞こえた。
佐藤「…。」
私は一つのCDを出した。翔太が、蒼井翔太として初めて出したミニアルバム、ブルーバード。
佐藤「これは、貴方のCDよ。聞いてみて?」
私は持ち運び用のデッキを取り出した。
蒼井「歌なんか…僕が歌うわけ…」
佐藤「歌が好きなんでしょ?」
蒼井「わからない…。…嫌いだ…。」
佐藤「そう…。」
私は、音楽をかけた。
『蒼く澄んだ空は高く〜♪夢がはじまる〜♪』
蒼井「…。」
佐藤「あなたの声よ。」
蒼井「なんで…。」
どうして歌ってるの…?こんなに、必死に…。
そう聞こえた。
佐藤「貴方が選んだ道…。それがこれ。思い出して!…ううん。思い出さなくてもいい…だけど…!貴方は歌が好きで、何人もの人を笑顔にしたということは覚えておいて!」
蒼井「…。僕は、誰にも何もあげられてない…。」
佐藤「…あげてるよ。私も、貴方にいろいろなことを学んだよ。」
蒼井「…。」
佐藤「…。Aちゃん、貴方の事好きだったんだよ…?」
蒼井「…!?」
佐藤「…貴方が事故にあった時、Aちゃんが横にいた。翔太が目の前で引かれたのがショックでずっと元気がないの。」
蒼井「僕…が…?A…。」
佐藤「…。」
蒼井「わからない…。でも、なんだか懐かしい…。A…。」
何度も何度も、Aと、翔太は繰り返した。
佐藤「…蒼井翔太…。」
蒼井「…?それが、僕の名前…なんですよね…?」
佐藤「えぇ…。自分の名前は、覚えてね。」
蒼井「…あなたは…。」
佐藤「佐藤ひろ美。また、来るね。みんなも待ってるから…話、聞いてあげて?特に…親友だった子と、あなたのことをすごく心配していた先輩の…。」
蒼井「…?」
翔太はまた、よくわからないと言ったような顔をした。
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一松大好き - しょうたんが記憶を無くして「誰?」と言うところが泣きそうになりました。 (2016年8月17日 6時) (レス) id: 947c26b20a (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - すごく、泣けます(。´Д⊂) 楽しみに待ってます! (2016年4月5日 18時) (レス) id: e291531201 (このIDを非表示/違反報告)
蒼い鳥 - 続きがものすごくきになります!しょうたんが早く記憶お取り戻して欲しいです (2016年4月4日 18時) (レス) id: e725e1b045 (このIDを非表示/違反報告)
蒼井藍(プロフ) - もうすでに泣いてるのですが(´ ; ;`) 涙腺が・・・しょーたんはやく記憶取り戻して!! 更新がんばってください! (2016年4月3日 23時) (レス) id: 3b9b9f7ca2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼い鳥 - なんか、しょうたんが元気でよかった!早く次がみたいです(≧∇≦) (2016年4月2日 22時) (レス) id: e725e1b045 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:最先端の消しゴム | 作者ホームページ:
作成日時:2016年3月9日 17時