Marionation (ページ5)

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♯３(N.Y.side) ページ5

気付けば僕は玄関の方に走り出していた。

竜「おい、ちょ、中丸！お前荷物どーする気だよ！」

荷物も無免許運転もどうでも良くなって、僕は必死に走る。

雄「はァっ、はァっ、･･････あれ、おかしいな」

見失った。

確かにいたと思うんだけど、気のせいだったかな･･････？

竜「おい中丸！自分の荷物くらい自分で持てっての！

何だよいきなり走り出して俺置いてきぼりとか、酷くね！？」

雄「ごめんて。いや、俺がこっちに引越してくる前まで仲良かった子が歩いてくの見えてさ、追いかけたんだけど見失った」

竜「見間違いとかじゃなくて？」

雄「だって毎日一緒に遊んでた仲だし、俺視力めちゃめちゃ良いし？」

竜「知らねぇよ。いいからさっさと自分の荷物持てよ。いつまで俺に持たせとく気だよ」

雄「あ、忘れてた‪w‪w」

竜「おい！‪w」

雄「ありがと、上田」

小さい頃に守ってやるって約束したのに、俺が小学校からこっちに移動することになって全然会えなくなった。

でも今度こそ、その約束を果たせるかもしれない。

中学2年の時、遂に僕はHero組織に入ることが認められた。

今は僕を含め、上田と学年がひとつ下の亀梨ってやつと3人で、『KAT－TUN』というチームで活動している。

───いつか君に会えたら、ちゃんと守ってあげられるように───

そう願い続けながら、今はHero組織の司令部隊として出動チームのサポートをしながら、日々訓練している。

力が認められれば、出動チームとして参戦することになる。

この都市を、『黒霧塔』の魔の手から守るために。

竜「中丸ー、クラス名簿張り出されてるぜ。俺ら一緒のクラスだってよ」

雄「本当に！？どれどれ」

確認すると、確かに名簿の上の方に上田の名前、真ん中くらいには俺の名前。

雄「え、嘘･･････」

上田と俺のちょうど真ん中くらいの位置に書かれた名前に目が留まる。

竜「ん？どうした？」

雄「上田、さっき言ってた幼馴染の名前がある。やっぱりさっきの見間違いじゃなかったんだ！」

『黒羽A』の文字を指さして言うと、上田は「良かったじゃん」と笑い返してくれる。

教室に行くのが楽しみになって、俺は堪らず上田の手を掴んでまた意気揚々と走り出した。

竜「中丸！ちゃんとついてくから手ェ離せって！‪w」

嬉しすぎて、上田の困惑の叫びも全く耳に入らなかった。