Marionation (ページ34)

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♯２９(N.Y. side) ページ34

昼休み、赤西とAは食堂に食べに行くとかで、上田と俺だけ中庭で昼食をとることにした。

竜「中丸あのさ、」

雄「うん」

竜「朝のアレ、上に報告した方が良いかな」

珍しく、上田が俺に相談してくる。

最年長は俺だけど、グループの主戦力は亀梨、先輩・後輩との連絡を取りながらグループを支えてくれるのは上田だ。

先輩のサポートが主だった今までは、先輩からの指示を聞きつつグループや後輩を指揮していたから、上田1人でもどう動くべきか判断するのは簡単だったんだろう。

でも高校に上がって、今度は俺らのグループでヒーロー組織の中心に回ることになった今、いくら上田とて荷が重すぎることは誰にでも分かる。

組織に加入して一番長くいたからこそ、俺はそのことを誰よりも感じ取っているつもりだ。

雄「櫻井くんには、情報面からしても報告は必要だと思う」

竜「だよね」

雄「ただ、向こうはこっちの組織と違って、全員魔法石所持者、つまりみんな魔力が使える。

俺らのグループは亀梨くんしか魔力が使えないし、先輩グループの嵐だって、全員が魔力を使えるわけじゃない。

だからその分慎重に動かないと、向こうの魔力でこちらの動きを取られてしまうから･･････」

竜「そこなんだよね。アニキに報告してから先の動き。

出てくる情報によるかもしれないけど、どう動いたら向こうがどう動くかまでが予想出来ない。

嵐には情報・予測・指揮統制が分立された上で戦力があるけど、俺らは戦力は強い割にメンバー3人しかいないし、情報と予測は他グループの手を借りなきゃ行けない。

嵐が主戦からサポートに回るって言い出したのはリーダーの大野くんだから、アニキの他に頼るとしたら大野くんなんだろうけど･･････」

上田のことだから、頼りすぎたくないと思ってるんだろう。

自分の力で、自分たちの力で、成果をあげたいんだ。

でも、俺ら中心になって早々にこんなことになると思ってなかったから、すごく焦ってる。

竜「もし中間が黒霧塔だったとして、あんなに分かりやすい言動するか？

本名なら俺らみたいなのにはすぐ裏があるってバレるし、偽名だとしても不自然だ」

雄「学校内にヒーロー組織の人間が入っていることは、きっと向こうも知ってる。

だから、こっちにしか分からない情報を敢えて発して、黒霧塔だって分からせた上で、俺らを釣ろうとしてるのかもしれない」

竜「なるほど、罠ってことか」

雄「うん」