Marionation (ページ4)

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♯２(N.Y.side) ページ4

新しい制服に腕を通し、行ってきまぁす！と一言、玄関から飛び出す。

危うく寝坊するところだったけど、何とか起きて支度を済ませ、無事に家を出発した。

帝燿首都学院、今日から高等部生。

小学校に上がる時こっちに移ってきて、その日から歩き続けているいつもの通学路を今日も通る。

今年は一段と桜が綺麗で、道路沿いのチューリップも色とりどりだ。

けど、僕の目に留まったのは、電信柱の足元に寄り添って咲いているスミレの花。

これを見る度、小学校に入る前まで一緒によく遊んでいた幼馴染を思い出す。

彼女はスミレの花みたいに可愛らしくて、スミレの花のような紫色がよく似合う。

その由縁か、僕も紫色が好きだ。

雄「どこかでまた会いたいな･･････」

一輪だけ摘んだスミレの花にそう呟き、溜息をついた。

そこに、心臓に響くようなエンジン音がやってくる。

？「なぁに高校初日からシケた顔してんだよ。学校、遅れんぞ」

雄「上田、、」

彼は、僕が中学上がってから仲良くなった、上田竜也。

めちゃくちゃイカつい同級生。‪w

こう見えて実はシャイだし、口下手で人見知り。

けど、僕はいつの間にか仲良くなってた。

竜「後ろ乗れよ。学校まで飛ばしてやるぜ」

雄「おぅ、ありがとう！」

お言葉に甘えて、と上田の後ろに乗り、上田を抱きしめるような恰好でバイクが出発する。

雄「あれ、お前いつからバイク乗り始めたの？」

竜「あぁ、高校上がるからっつって姉ちゃんの使ってたヤツお下がりしてもらった」

雄「へぇ～」

と、乗ってしばらくしてから大変なことに気が付く。

雄「･･････上田、」

竜「どした？忘れモンでもしたか？」

雄「お前誕生日あと半年先だよな？」

竜「そうだけど、それがどうかした？」

どうもこうも･･････

雄「･･････お前さ、バイクの免許ってどうしたの」

竜「は？んなもん知らねぇよ。免許取れんの16からだろ？」

ケロッと「何か問題でも？」って感じで言いやがったけど！

コイツ、高校初日から無免許運転かましてんのかよ！？

雄「えっ、ちょっと待って？危ないから、無免許。学校どころか警察も黙っちゃいないんじゃ･･････」

竜「見つかんなきゃいいだろ！こっちの方が断然早いし、バイク通学とか憧れてたから」

ヤイヤイ言いながら学校に着き、ふと玄関の方を見た時だった。

見覚えのある背中が横切って行った。