Marionation (ページ25)

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＃２１(Your side) ページ25

黄「ソレイユ、集まる場所、魔力制限室に変更やって」

橙「おん、分かった。すぐ行くわ」

2人の声を背後に聞きながら、それぞれの部屋の前を通り過ぎて魔力制限室へと向かう。

隣にはフラム。

赤「なあなあ、何で僕らだけ先に行くん？」

紫「仕事以外でフラムを誰かと一緒に任せると、ろくなことがないからね」

赤「ええ～！！僕もソレイユ呼びに行きたかったなぁ」

紫「私の監視下に置いておけないし、ちょっかい出して火まで出されちゃ困るのよ」

赤「監視って、ヴァイオレットもしかして、ドS･･････？」

紫「うるさい！さっさと行くわよ」

魔力制限室の前まで来ると、扉の前で手をかざし、解除コードを入力してロックを解除する。

紫「ほら、入って」

魔力制限室は、その名の通り魔力が制限される部屋。

中は特別な魔力で守られており、フラムみたいに危険な魔力を制限し、危険に繋がらない、攻撃力のない魔法のみが使える。

つまり、この部屋ならば、フラムが火の魔法を使ったイタズラをするのが出来なくなるのだ。

心做しかフラムは少し残念そうな顔をしているが、放っておく。

紫「ここからは真面目な話をする。フラム、あなたは才能をきちんと活かせばとても強い。イタズラに興じるのは程々にね」

赤「はーい。───ほんなら、ヴァイオレット、今回の任務完了したら、ご褒美ちょうだい？」

紫「ご褒美？」

本当にコイツは小学生か！！

私の一つ下の学年のはずなんだけど。

赤「おん。好きやってん、ヴァイオレットのこと」

紫「は･･････」

赤「今回の任務終わったら･･････付き合ってくれへん？」

フラムは、私のことが好きってこと？

でも───不意に思い浮かんだ人物が、頭から離れない。

『僕が悪いヤツらから守ってあげる』

ビビりのくせに、幼かった私の手をぎゅっと握って、そう言った。

そう、あれが私の初恋だった。

彼には心の内を決して伝えなかったけれど、今またその感情を思い出した。

紫「───組織内恋愛は禁止よ」

赤「嘘や、そんなルール聞いたことあらへんもん」

どうすればいい？

赤「付き合ってくれないんやったら、またいつもみたいにトネールたちにちょっかい出すで？」

普段のテンションで言う、“トリック・オア・ラブ”。

トネールやソレイユが懸かっている。

案外抜け目がないヤツだ。

紫「･･････少し、考えさせて」