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18:angry? ページ19

喫茶店にて。その男は不服そうな顔で私を見ていた。

「………」
夕方の仕事終わりにメールを確認すると、『ここで待ってるから早く来てくれないかい?』という、画像付きの内容が数分前に来ていた。
何事かと思い、会社近くの喫茶店に入れば、見慣れた顔。
しかしその顔はとても不満そうで、何かをいいたそうにしている。

「あの…」
「昨日…フェリシアーノ・ヴァルガスとルート・ヴィッヒと会ったのかい?」
私が口を開くと同時にアルフレッドが発言をする。
その声は顔と同様に不機嫌そうだ。
「…たまたま本田さんの家にあそびにきていたお二人と顔合わせしただけと言いますか…」
なんとなく張り詰めた空気が居心地悪い。
そのせいで私が悪いことをしたような気持ちになってしまう。
「…菊が……あの二人と遊んでいたときに、桜と会ったって、言ってたからね。」
ふい、と顔を逸らしたと思えば小さく呟くアルフレッド。
「あの二人と会える程の時間があるなら、俺とも遊べた筈なんだぞ」
次第にもごもごとしだす。

「もしかして、みんなで遊びたかったのですか?」

なんて子供のような理由だが、その言葉にビクリと肩が上がったのを見てしまえば図星とわかってしまう。

「だ、だって!話してくれた菊がすっごく楽しそうにしてたんだぞ!?楽しいことなら俺だって混ざりたいじゃないか!」
勢い良くこちらへ向ける顔はとても真っ赤で、先程の張り詰めた空気が嘘のようだった。
思わずくすっと笑ってしまった。
なんて幼い子なのだろう。純粋な考えを持つ彼には振り回されてはいるが、どうしても嫌とは思えない。
多分それは、彼自身にどこか不思議な魅力があるのだろう。
現に、先程の機嫌の悪さを見た後だというのになんとなくそんなことはどうでもよくなってしまうのだ。

「ふふ…本当にたまたまですよ。仕事が終わったあとたまたま出会って、少しお話してからすぐ帰りました。」
「そ、そうかい…それなら、いい…のかな…」
歯切れの悪そうな返事をするアルフレッド。
まぁ何はともあれ、誤解は解けた…かな…?

「それにしてもあの二人と仲が良かったのですね。また三人で遊ぶことがあるそうなので、私はお仕事でいないかもしれませんが、一度聞いてみては?」
多分喜ばれますよ、と微笑むが、何故か彼は少し俯く。

「…ありがとう桜そうと決まれば早速菊んちに寄ってくるんだぞー!」

…なにか言ったかと思えば立ち上がりそのまま去って行ってしまった。

…本当になんだったのだろう。

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限界米領(プロフ) - 華氷さん» コメントありがとうございます!日常的な会話などが好きなので過激にならないようにしてますのでそう言っていただけるとすごく嬉しいです!今後もほっこりするようなお話になるように頑張っていきます! (2019年10月18日 0時) (レス) id: f4d846ffd6 (このIDを非表示/違反報告)
華氷(プロフ) - すごく面白くて可愛らしい物語ですね!とても大好きです!更新楽しみに待っております!頑張って下さい!! (2019年10月17日 11時) (レス) id: 73a83246d3 (このIDを非表示/違反報告)
限界米領(プロフ) - スコ―ンさん» コメントありがとうございます!面白いと思ってくださってとても光栄です!拙い文章ではございますが、今後も更新ペースを落とさないように頑張ります! (2019年10月14日 1時) (レス) id: f4d846ffd6 (このIDを非表示/違反報告)
スコ―ン(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます!(*´▽`*) (2019年10月13日 21時) (レス) id: 92f83285a3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:限界米領 | 作成日時:2019年10月9日 0時

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