Cowardly -H.S- {抹茶様リク} ページ11
昔からオシロイバナが好きだった。
どこにでもある存在に自身を重ね、枯れにくいところに自分にはない生に関する執着を感じていた。
特に趣味や特技もなく、暇な時間を勉強に費やした結果雄英に通っていた。
受かった、とはいっても普通科で同じクラスの心操くんみたいにすごくはなく教室の隅で静かに過ごすか、校舎裏にある花壇の花に水をやる毎日だった。
…あの人と出会うまでは。
「A今日も水やりしてんのか」
『あ、瀬呂くん』
同じ学年のヒーロー科、瀬呂範太くん。
３週間ぐらい前にこ話しかけられて仲良くなった。
それ以来毎日私が水やりをしていると遊びに来ていた。
「偉いなー、毎日ちゃんとしてんじゃん」
『それしかすることないしね』
「クラスの奴と話したりしねーの？」
『…うん、あんまり』
お前おもしろいんだからもったいねぇよ、と瀬呂くんは笑った。
その笑顔を見て胸がときめいた。
もう察しているかもしれないが私は瀬呂くんが好きだ。
でも、所詮普通科の中でもパッとしない女と有名なヒーロー科。
臆病な私は告白することすら頭になかった。
「Aさ、よくこの花に水あげてね？」
『え、そうかな？』
そう言って彼が指さしたのはオシロイバナ。
一応均等に水をあげてるつもりだったけど、やっぱり偏ってたみたいで。
「雑草だからそんなやんなくても大丈夫なんじゃねーの？」
『昔から好きで…』
「ああ、だからか」
彼は納得したように頷くとオシロイバナを軽くつついた。
瀬呂くんがつつくと同時に花が微かにゆらゆらと揺れる。
妙な沈黙が私と彼の間に流れた。
「こいつって花言葉とかないのかな？」
『…あるけど知らないなぁ』
「調べてみるか」
彼の指が携帯をスラスラと操作する。
しばらく動いた後、見つけたようでぴたっと止まった。
『なんだったの？』
「臆病な恋…だって」
『…へえ』
さっきより気まずい沈黙がまた二人の間を流れる。
なんでもっとコメントのできる花言葉じゃないんだオシロイバナ！、と内心思いながら真顔で花壇に水を与える。
気まずそうに頬をぽりぽりとかいた瀬呂くんが沈黙を破る。
「俺も好きになったかな、オシロイバナ」
『なんで？』
「臆病な恋って俺にぴったりだし」
バッと瀬呂くんの方を振り向けば彼は恥ずかしそうにはにかんでいた。
心が痛むと同時に、僅かに期待する自分もいた。
(この後は、彼ら次第)
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ちぇけらっちょ。 - 輪来さん» 了解しました！お応えするのが遅くなるのでご了承ください。ありがとうございます、頑張りますね！！ (2018年10月22日 6時) (
レス) id: 6d55399477 (このIDを非表示/違反報告)
輪来 - リクエストなんですが(唐突)、デクをお願いします！とても面白かったです！これからも頑張って下さい！ (2018年10月19日 16時) (レス) id: 8010af24fd (このIDを非表示/違反報告)
輪来 - リクエストなんですが(唐突)、デクをお願いします！とても面白かったです！これからも頑張って下さい！ (2018年10月19日 16時) (レス) id: 8010af24fd (このIDを非表示/違反報告)
ちぇけらっちょ。 - きのこさん» リク承りました！ ですが、もはや日常ですがスランプ患ってるマンなのでお答えできるのが遅いです…すみません…。 (2018年10月14日 11時) (レス) id: 6d55399477 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - リクエストよろしいでしょうか？心操君でお願いします！！(期待のまなざし) (2018年10月14日 10時) (レス) id: b000323d2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぇけらっちょ。 | 作成日時：2017年5月11日 10時
