私はなりたい ページ9
あの事件が起きて、近所の人達は私たちに『可愛そ
うな子供達』というレッテルを貼った。
そして、学校でも。
「轟さんのお父さんエンデヴァーなんでしょ！？」
「なんで言ってくれなかったの〜！？」
「ウチら友達でしょ？」
「…ごめん。」
私は、なんのために強くなったの……？
少なくともこんな現金な奴らとつるむためではない
はずだ。
みんなを、守るため。
「………私は………」
「ん？なんか言った？」
「…………………いや。」
その瞬間、私の中で何かが弾けた。
この時、初めて将来を見た。
「お父さん！！」
「……どうした、氷雪。」
「私、ヒーローになりたい！！」
どうして今まで気づかなかったのだろう。
たとえ個性がお父さんの望んだ通りではなくても、
ヒーローにはなれるのに。
みんなを守るのなら、これが一番いい方法。
滅多に自分の考えを伝えない、ましてや大声を出す
こともない自分の娘が…。
その表情からは容易に考えていることはわかる。
「お前が？どうしたいきなり。」
「私はみんなを守りたいからお父さんに稽古をつけ
てもらったの。でも、守れなかった……。現にお母
さんを…守りきれなかった。本当の意味でみんなを
守るには、ヒーローになるしかないの。」
「…氷雪……。」
フッと笑みを浮かべ私の頭に手を乗せるお父さん。
身長はまだまだ足りないな。
「いいだろう。稽古をつけてやろう。」
「！ありがとう、お父さん！」
そして私はまた、学校を辞めて稽古に励んだ。
「お姉ちゃん最近生き生きしてきたよね。」
「え？」
「なんていうか…学校では目が死んでるから。」
「……まあ、あのクラスで愛想振りまくのは難しい
からな。」
キュッと長い髪を後ろで一纏めにする。
「あれ？」
「？どうした？」
「お姉ちゃんの髪、なんか赤いの混じってない？」
血？と物騒なことを言う妹。
と、髪の毛を一本抜かれる。
「ほら、この髪とか赤いし。」
「…なんで？」
手の上に横たわった髪は、お父さんと同じ赤い色を
していた。
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水蓮月夜(プロフ) - 座布団さん» いえいえ！ご意見いただけるだけありがたいです！ありがとうございます。ミリオはいい奴だ…！ (2020年4月7日 18時) (
レス) id: 46a31dc65f (このIDを非表示/違反報告)
座布団 - オチ決まってたんですね(￣▽￣;)すいません！ (2020年4月6日 16時) (レス) id: 5f3a5b3cfe (このIDを非表示/違反報告)
座布団 - 凄くこの作品大好きです！！オチ希望は通形ミリオです！ (2020年4月6日 16時) (レス) id: 5f3a5b3cfe (このIDを非表示/違反報告)
水蓮月夜(プロフ) - ミナさん» ご意見ありがとうございます！先日のアニメでホークス出てきましたよね。カッコよかった〜！年齢も近いし、良いかもしれませんねd(^_^o) (2020年4月2日 9時) (レス) id: 46a31dc65f (このIDを非表示/違反報告)
ミナ(プロフ) - ホークスがいいです！ (2020年4月2日 9時) (レス) id: 1305b21a2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水蓮月夜 | 作成日時：2019年4月26日 18時
