未来はあるのか。 ページ40
「やあ、轟氷雪。久しぶりだなぁ。」
「アンタが私のケータイのアドレス知ってたなんて、
驚きすぎて新手の悪質詐欺かと思ったよ。」
「まあ詐欺よりたちが悪いと思いますが。」
まるで友達に会うかのように軽い挨拶。
でも目の前に立つコイツは、本来なら最も警戒すべき
ヴィランだ。
ここは、どっかのビルの屋上…だと思う。
知らない場所だ。
ここから見えるのは薄らと雲がかかった山々と遠くに
小さく見える建物だけ。
「それで？話ってのは？」
「ああ。…単刀直入に言う。こっちに入らないか、轟
氷雪。」
「真剣になって何言うのかと思えばそれかよ。言った
だろ？私はヒーロー。絶対にそっちに行くことはない
って。ふざけてんのか？」
「いや。真面目な話だ。」
サァ……ッと風が通り抜ける。
奴のフードが脱げて、水色の髪が暴れだす。
私の髪も風に煽られる。
「これは、この世界を平和にするために、必要なこと
なんだ、轟氷雪。」
「………説明してくれ。」
ー
相澤side
「あら？氷雪は？」
「あれ？さっき教室に行くって言ってましたけど？」
「まだ戻ってきてないよ。教室で寝ちゃったのかな？
相澤くんみたいに。」
「…さすがに寝袋に入ってたりしないわよね？」
「相澤くん、一応様子を見に行ってくれないかい？」
「…わかりました。」
ったく、人のことをなんだと思ってんだか。
氷雪も氷雪だ、なんで呑気に教室で寝てるんだ。
事務の仕事だって終わってないらしいし…。
「氷雪ー、いるかー？」
ガラガラと扉を開け、やる気無さげな声で呼びかける
が、返事はない。
どころか、姿もない。
「氷雪？」
轟の席の椅子が少し引いてあって、机の上には水滴が
何滴か落ちていた。
椅子に触れると、少しだけ温かかった。
氷雪はここに座っていた…のか？
それじゃあこの水滴は……。
「……なんで泣いたんだ？」
わからない。
ずっと前からアイツのことがわからない。
わからないけど、知りたい。
もっとお前のことが知りたいんだ…。
この気持ちが何なのか、わからない。
こんな気持ちはなだれがいなくなったあの日以来だ。
もう、何もわからない。
俺はとりあえず、教室を後にした。
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水蓮月夜(プロフ) - 座布団さん» いえいえ！ご意見いただけるだけありがたいです！ありがとうございます。ミリオはいい奴だ…！ (2020年4月7日 18時) (
レス) id: 46a31dc65f (このIDを非表示/違反報告)
座布団 - オチ決まってたんですね(￣▽￣;)すいません！ (2020年4月6日 16時) (レス) id: 5f3a5b3cfe (このIDを非表示/違反報告)
座布団 - 凄くこの作品大好きです！！オチ希望は通形ミリオです！ (2020年4月6日 16時) (レス) id: 5f3a5b3cfe (このIDを非表示/違反報告)
水蓮月夜(プロフ) - ミナさん» ご意見ありがとうございます！先日のアニメでホークス出てきましたよね。カッコよかった〜！年齢も近いし、良いかもしれませんねd(^_^o) (2020年4月2日 9時) (レス) id: 46a31dc65f (このIDを非表示/違反報告)
ミナ(プロフ) - ホークスがいいです！ (2020年4月2日 9時) (レス) id: 1305b21a2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水蓮月夜 | 作成日時：2019年4月26日 18時
