間違えたら直せば良い。 ページ37
「消太、A組全員の出席を確認した。」
「ああ。」
今日は体育祭本番。
みんな緊張しているようだ。
…学生時代の私は、どうだったか。
………………………寝てたか。
今考えれば、あの時の私ほどアホなやつはいなかった
と思う。
薄情なやつだな、昔の私は。
そう苦笑しながら彼らを呼びに、控え室に向かう。
たしか、ここだったか。
ドアノブに手を掛けると、動きを止めた。
…焦凍？
私は扉の前に立ち、じっとその声に聞き入る。
「……お前には、勝つぞ。」
《勝つぞ》。
その言葉だけが、私の心に突き刺さる。
違う。
焦凍、違う…それは、間違ってる。
お前は、お前らしくあればいい。
お父さんのことなんて気にするな。
そう、今すぐ扉を開けて、焦凍に言いたかった。
でも、出来なかった。
「っでも！！僕も、本気で勝ちに行く！」
あぁ、やっぱり君は…。
個性自体はきっと、とても強くて正義感に溢れた、私
には測り得ない力を持っているだろう。
だが、未だ使いこなせていない。
彼は、使いこなせていない、それだけだった。
ヒーローになりたいという気持ちは誰よりも強い。
そしてその気持ちが、彼を何倍にも強くしていく。
彼にはあって、焦凍にはないもの。
緑谷出久。
君は、すごいよ。
ー
「青春してるところ悪いね。そろそろ開会式だから、
移動してくれ。飯田、頼むぞ。」
「はい！」
……飯田、便利……。
「焦凍。」
「………何。」
「……行ってこい。」
今の私じゃ、焦凍に何もいうことはできない。
でも、せめて背中だけは押させてくれ。
行ってこい。
ぶつかって、傷ついて。
そして、気付け。
お前は何のためにヒーローになるのか。
思い出して、考えろ。
大丈夫。
お前ならきっと…
「緑谷くん。」
「はっはい？」
きっと……
「……頑張れよ。」
「？は、はいっ！」
《1年！A組だろおおおおおおおお！？》
「…もうちょっとなんか言ってやればよかったか？」
「…さあな。」
「うわ、びっくりした。いたの？お父さん。」
「気付いてたからそんなこと言ってたんだろう。」
隣にはエンデヴァー仕様の、でもどこか父親の横顔
のお父さんが立っていた。
「ねえ、お父さん。」
「なんだ。」
「……話が、あるの。“轟氷雪”にも、“Snow drop”に
も関係がある話。」
いつまでも、目の前にいるわけじゃないんだ、焦凍。
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水蓮月夜(プロフ) - 座布団さん» いえいえ！ご意見いただけるだけありがたいです！ありがとうございます。ミリオはいい奴だ…！ (2020年4月7日 18時) (
レス) id: 46a31dc65f (このIDを非表示/違反報告)
座布団 - オチ決まってたんですね(￣▽￣;)すいません！ (2020年4月6日 16時) (レス) id: 5f3a5b3cfe (このIDを非表示/違反報告)
座布団 - 凄くこの作品大好きです！！オチ希望は通形ミリオです！ (2020年4月6日 16時) (レス) id: 5f3a5b3cfe (このIDを非表示/違反報告)
水蓮月夜(プロフ) - ミナさん» ご意見ありがとうございます！先日のアニメでホークス出てきましたよね。カッコよかった〜！年齢も近いし、良いかもしれませんねd(^_^o) (2020年4月2日 9時) (レス) id: 46a31dc65f (このIDを非表示/違反報告)
ミナ(プロフ) - ホークスがいいです！ (2020年4月2日 9時) (レス) id: 1305b21a2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水蓮月夜 | 作成日時：2019年4月26日 18時
