轟家の長女は守りたい

戦いの余韻。 ページ25

オールマイトさんが来てからすぐにヴィランは退散


し、消太も病院に送ることができた。


生徒も無事。


ただし、一人は大怪我してたが。


私はというと、ずっとザコヴィランの相手をして、


なかなか広場の方に応戦できなかった。


悔しい。


好きな人のことも守れないなんて…。


ギリ、と手を握りしめる。


「…そんなに握りしめると怪我するぞ。お前ただで

さえ馬鹿力なんだから。」


「っ！？しょ、消太…。」


「どうした？」


包帯でぐるぐる巻きにされ、今やミイラ状態。


でも、その瞳は…ずっと私が追い求めてきた、彼の


瞳は、まっすぐに私を見てくれていた。


そ、と彼の頰に手を当てる。


「……怪我、痛そうだな。」


「まあな。多少後遺症が残るみたいだが、命に別状

はないから、心配しなくても大丈夫だぞ？」


「後遺症…？どこに？」


「右目。あのバケモンに散々やられたからな。」


私のせいだ…。


また、大事な人を失っていく…。


「…氷雪。これは、お前のせいじゃない。」


ハッとその瞳を見る。


「これは、俺の失態だ。お前は悪くない。」


「でも、消太はっ…」


「お前のせいじゃない。全部、自分だけで背負わな

くていい。…氷雪、お前のせいじゃないんだ。」


「……でも…」


「俺のせいだってことにしてくれ。じゃないと、俺

はお前に甘えてしまうかもしれないからな。」


そう言って苦笑する消太。


そう。


あなたは初めて会った時から、そうだった。


そんなあなたを好きになったんだ。


優しくて、まっすぐで。


私の憧れだった。


いつのまにか、私はあなたの背中ばかり追いかけて


いたんだ。


今は言えないけど、いつか伝えたい。






ー好きだよ、消太。

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