1.箱入り娘 ページ1
道玄家総本山、
それが私、なのだが、なんでも界隈一敵に回しちゃいけない組織のボスがこの並盛町に居るらしい。元は自警団の成り立ちだったが組織的にマフィアへ、との事だ。マフィアと自警団を一括りにするのは無理があろう。
そもそも自警団なぞこの町には必要の無いものだ。何故なら雲雀恭弥が居るから。アレひとりで何もかも十分だろう。ならば何故こんな所にマフィアのボスが居るのか。
不可解な謎に首を傾げながら、私は今日もどうにか屁理屈を捏ねて逃げている。
｢雲雀家には手を出してないじゃないですか｣
｢僕の家の話じゃない。僕の話だ｣
｢か、変わんないですよ。私だって御家の決定に逆らえないんです。止めるなんて無茶です｣
これは本当だ。チャカだのドスだの持っている屈強な男共とそれを従えた父や母に逆らえる人間はそうそういないであろう。
引き攣った表情でそう言えば、納得出来ないと不機嫌そうな顔をして私を見るストレスの原因。彼さえいなければ私はこの世で特に困ることは無い。
｢両親をあんな事に関わらせる訳にはいかない。バレないようにやれってきちんと釘を刺しておいて。いい加減警察もガサ入れに動くよ｣
｢ご最もだとは思います。けれども私には如何ともし難いことと言いますか、その、父と祖父の決定ですので……｣
｢……面倒だな｣
舌打ちでもしそうな勢いで睨まれ固まる。
彼、雲雀恭弥は女性を好まないと言うか、苦手……？らしい。好きではない、と言っていた記憶がある。嫌いだと名言しない辺り気を遣ったのか本心なのか、この男に気遣いがあるとも思えずなんとも言えないところである。
基本は関わらないという形で避けているが、御家の関係で避けて通れる人間では無い為、腹を括って参上仕る、なんて言う訳なのだ。
私だってこんな人とタイマン張って会話をしたくない。会話というか、デッドボールを投げ続けられる理不尽な競技に強制参加させられている気分だ。
当たったら即死。
顔を青ざめさせた非力な私を再度見て雲雀恭弥が口を開く。
｢君、ボンゴレのことは知ってるのかい｣
｢話には。詳細までは語られていませんね。今回のことと関係が？｣
｢いや、今回のことに関係は無いよ。……君って本当に何も知らされていないんだね｣
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さとう(プロフ) - コメント失礼します。とっても面白くて何回も読み返してしまいます！夢主ちゃんと雲雀さんの歪な関係がとてもグッときます。影ながらいつも応援しております。更新無理せず頑張ってください！ (2019年6月18日 23時) (
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作者名：銀竹 | 作成日時：2019年5月28日 20時
