カーテンコールの向こう側 ページ37
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ユタヒョンから送られてきた住所を運転手のおじさんに見せ、辿り着いた場所は小さな一軒家だった。
てっきりホテルに泊まっているのかと思ってたけど、もしかしたら結構長い間ここに暮らしていたんだろうか。
自分の育った地にAが住んでいたなんて、なんだか変な感じだ。
カーテンから漏れる室内灯の光がそこかしこを照らすのを横目に見ながら、はやる気持ちを一切抑えきれずに玄関のベルを鳴らした。
すぐにパタパタと走り寄る音が家の中から聞こえてきて、だんだんと話し声が近付いてくる。
ああ、ヒョンは本当に電話してくれてたんだな……と、感動すると同時に、尋常じゃなく荒れた声が聞こえてくるのはどうしてなんだろう。
昔から聞いていた穏やかで軽い声色とは違うけど、それは紛れもなくAの声色だ。
動揺を隠せる暇もなく玄関のドアが開く。
「、悠太くんなんて、……！」
その言葉と同時にAの姿が現れた。
さっきまでの表情とは違って、あの店員が言っていたように、Aは本当に泣いていた。
というかもうぐしゃぐしゃで、目や頬、それに鼻先まで真っ赤にしてしまっている。
その赤い目を丸くしたAが端末を落とすのを慌てて空中でキャッチすれば、画面には日本語でヒョンの名前が書いてあった。
何も言わずに固まったままのAを見ながら、耳に当ててヒョンへ一言お礼を告げると、通話を切る瞬間に「当たって砕けろ！」という小気味良い言葉が聞こえたので聞こえなかったことにした。
いや、だって砕けちゃダメなんだけど。
それよりもAだ。
「、どうしてマークがここにいるの、悠太くんとはどこまで仕組んで、全部嘘で、」
「違う、A」
「だって、こんな、こんな事って」
Aは苦しそうに眉根を寄せて、唇をきゅっと噛みながら絶えず涙を流し続けるだけだ。
とりあえず落ち着かせたいけれど、Aがここまで泣いているのを見たことがなくて、正直どうして良いか解らない。
一瞬ユタヒョンに助けを求めるべきか迷ったけど思い直す。
それだけは絶対にだめだ。
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さっちゃん(プロフ) - 作品読ませていただきました。途中胸が苦しくなるほど、とても良い作品でハッピーエンドで終わり良かったです。またトキメキと良い意味での胸の苦しさを求めて何度も読もうと思います。素敵な作品をありがとうございます。 (9月26日 22時) (
レス) @page49 id: 585b81384e (このIDを非表示/違反報告)
ちるぬな(プロフ) - 初めてこの作品を読ませていただきました。言葉遣いからストーリー構成まで、ほんとうに好きです。素敵なお話ありがとうございます。これからまた何十回と読ませて頂きます^_^ (9月20日 21時) (レス) @page49 id: 7c0a70e250 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - はるかさん» 私こそすみません…！作品の方また楽しんでいただければ幸いです！ (2021年8月31日 11時) (レス) id: 9dd39ae13b (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - せのさん» そうだったんですね！失礼いたしました...！ (2021年8月30日 21時) (レス) id: ef764b671d (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - はるかさん» こちらこそ読んでくれてありがとうございます〜〜！！Twitterはしてないので教えられず……！ (2021年8月30日 16時) (レス) id: 01bd2f8507 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せの
| 作成日時：2021年8月2日 0時
