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Aはヘチャンの減らず口にくすくすと笑いながら何度も礼を言い「そっちに戻ったら一番最初に会いに行くね」と、それはそれは優しい口調で告げた。
一番。
一番という言葉がどうにも気に食わないけど、水を差すのはやめておこう。
その後、仲睦まじく話す二人の間に割り込んで「じゃあな」と通話を切ろうとしても、三回くらいは軽く阻止され、終わったのはヘチャンの泣き声もとっくに治まった頃だった。
ユタヒョンの「さて、朝飯でも食いに行くか」という言葉にヤンヤンがAの手を無邪気に握るからきっちり引き裂いておく。
「なあお前ら、今日の予定は？」
「ボクは明日までお休み貰ってきたよ。ヌナのとこ泊っていい？」
「ダメだから！絶対！」
「マクもまだ日程あるよな？やったら四人で幼少期マクの思い出ツアーでも開催するか〜」
「……いや、ちょっと、オレとAは、予定が」
「なになに？ボクたち除け者ってこと？」
「そうじゃないけど、その……オレ達は今日、指輪を……買いに行く予定だから」
「えっ？マークそんな話したっけ？」
「待ってよ、夜に話したじゃん！」
「なんで本人が知らんの？」
「眠いの我慢してたから……ごめんね、マーク……」
Aがはにかみむように笑うから喉がぐっと詰まって何の文句も言えなかった。
そうしているとヤンヤンが「あっ！」と呟き、くるりとユタヒョンの隣に立ってオレとAを正面にして口を開く。
「マクヒョンとAヌナ、結婚するってこと？」
「あーあ、オレ思ってても言わんとこうと思っとったのに。で、どうなん？」
「そんな話もしたような……」
「A……」
「なんやマク、ちゃんとプロポーズせな伝わらんで」
「それはまた……きちんとした所でしようと思って……」
「じゃあとりあえず、ボクとユタヒョンも含めて四人お揃いの指輪にしとく？」
「なんでそうなる！？」
「どうでもええけど腹減ったわ」
「……私！悠太くんの為においしいパン屋さん見つけておいたよ！」
「いやや。オレは今無性に米が食いたい」
Aとユタヒョンがわあわあと歩いて行くのを後ろから眺めながら、この二人の関係はは何も変わってなくて、胸に手を当ててほっと息を吐き出した。
それを見たヤンヤンが「マクヒョン良かったね」と、若干いたずらっ子のような顔をして笑いかけて来るから、小さく頷いて前を歩く二人の影を追いかけたのだった。
(愛を込めて、マークより・完)
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さっちゃん(プロフ) - 作品読ませていただきました。途中胸が苦しくなるほど、とても良い作品でハッピーエンドで終わり良かったです。またトキメキと良い意味での胸の苦しさを求めて何度も読もうと思います。素敵な作品をありがとうございます。 (9月26日 22時) (
レス) @page49 id: 585b81384e (このIDを非表示/違反報告)
ちるぬな(プロフ) - 初めてこの作品を読ませていただきました。言葉遣いからストーリー構成まで、ほんとうに好きです。素敵なお話ありがとうございます。これからまた何十回と読ませて頂きます^_^ (9月20日 21時) (レス) @page49 id: 7c0a70e250 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - はるかさん» 私こそすみません…！作品の方また楽しんでいただければ幸いです！ (2021年8月31日 11時) (レス) id: 9dd39ae13b (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - せのさん» そうだったんですね！失礼いたしました...！ (2021年8月30日 21時) (レス) id: ef764b671d (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - はるかさん» こちらこそ読んでくれてありがとうございます〜〜！！Twitterはしてないので教えられず……！ (2021年8月30日 16時) (レス) id: 01bd2f8507 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せの
| 作成日時：2021年8月2日 0時
