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首を振って頭の中のヘチャニを推し退け、きちんとAに向き直る。
「でもあの時、オレだけが知らなかったんだよ。Aが辞めること」
「……メンバー側にも一つくらいサプライズが必要かと思って」
「オレはさ、すごく傷付いたんだけど。サプライズって理屈付けたら言い訳になると思う？」
「ならないよねぇ……」
「A、もしかして忘れてた？オレに言ってないって。後から皆に聞いたけど、知らなかったのはオレだけだったみたいだから」
「忘れてなかったよ。私はマークにだけ言わなかったの」
「なんでだよ」
からかうように含んだその笑い方は、Aがユタヒョンを真似ている時の笑い方だと思い出す。
「ユタヒョンは知ってた？」
「……どこからどこまでを？」
「全部」
「うーん、どうだろう。辞める前はね、本当は悠太くんにも言わないでおこうかと思ったの。実際、一番最後に伝えたし。気付かれたみたいだけど」
「オレは全然気付かなかったのに……」
「マークはそうだと思うよ」
「オレがなに？」
「だってマークに気付かれないようにしてたから、私は」
「気付かれたくなかったの、オレに？」
日が傾き、オレンジ色をした木漏れ日の中でAが取り繕ったように笑う。
責めるような言い方になってしまったかもしれない。
Aもこんなところまで来てまさか詰め寄られるとは思ってなかっただろうし、とてつもなく悪い事をした気分になって黙りこんでしまう。
結局、自分があの時のAに何の疑念も抱かなかったのが原因なんだ。
きっと色んなところにヒントは落ちていて、ああそうだ、きっとあの雪の日だってAはオレに何かを伝えようとしてたんじゃないだろうか。
今になってはそれも、上手く思い出せないけれど。
「悠太くんは、私の事を何て言ってる？」
「音信不通だって。行方不明で、何をしてるのかもわからないって言ってた」
「それは、その……誰も信じてなさそうだね」
「ヒョンは昔から嘘が下手なんだよ」
「マークもね」
「オレはもう上手になったから。多分」
「そうなの？……悠太くんとはね、ずっと連絡取り合ってたよ。さすがに毎日じゃないけど、週に一回くらいは今も話してるかなぁ」
「全然知らなかった……」
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さっちゃん(プロフ) - 作品読ませていただきました。途中胸が苦しくなるほど、とても良い作品でハッピーエンドで終わり良かったです。またトキメキと良い意味での胸の苦しさを求めて何度も読もうと思います。素敵な作品をありがとうございます。 (9月26日 22時) (
レス) @page49 id: 585b81384e (このIDを非表示/違反報告)
ちるぬな(プロフ) - 初めてこの作品を読ませていただきました。言葉遣いからストーリー構成まで、ほんとうに好きです。素敵なお話ありがとうございます。これからまた何十回と読ませて頂きます^_^ (9月20日 21時) (レス) @page49 id: 7c0a70e250 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - はるかさん» 私こそすみません…！作品の方また楽しんでいただければ幸いです！ (2021年8月31日 11時) (レス) id: 9dd39ae13b (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - せのさん» そうだったんですね！失礼いたしました...！ (2021年8月30日 21時) (レス) id: ef764b671d (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - はるかさん» こちらこそ読んでくれてありがとうございます〜〜！！Twitterはしてないので教えられず……！ (2021年8月30日 16時) (レス) id: 01bd2f8507 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せの
| 作成日時：2021年8月2日 0時
