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凛side
『はーい
あぁ凛、今ちょうど空いたとこ
こっちに寝て』
凛「あぁ」
『どう？コンディションは』
凛「ばっちりだ」
『そう、よかった』
凛「なぁ、涼、、
なんでお前、水泳辞めたんだ？」
『え？なに急に、
前も話したじゃん』
凛「いや、宗介からあらためてお前の中学のときの話聞いたら、ちょっとな、」
『はぁ、宗介めー、、』
凛「そんだけ結果残してて、なんで辞めたんだよ」
『、、、水泳は好きだよ
もちろん、中学時代は、勝つために努力もした
でも、どれだけ結果を残しても、高校でも続けたいって、そういう風には思えなかった
全日本の育成選手に選ばれて、一度遠征でスウェーデンに行ったことがあったんだけど、
そのとき、今まで自分がどれだけ狭いところにいたのかがわかった
世界が輝いて見えた
それで思ったんだ
海外に出たい、世界を見てみたいって
でもやっぱり、そこで水泳がしたいっては、思わなかった
だから私は、水泳じゃない何かで、海外に行こうって決めたんだ』
凛「、、、そうだったのか」
『でも、泳ぐのが嫌いとか、ほんとにそういうのじゃないよ
水泳選手とかを見て自分も、っていう風には思わないってだけ
それよりもみんなの試合を見てる方が熱くなれるんだよね』
凛「そうか、、」
涼は、欲や自己主張が強い人間ではない。
だから、センスは抜群でも元来スポーツに向いている性格ではないのだ。
そして、俺は考えていた。
涼はいつも、みんなの中心にはいない。
それは、彼女が嫌われているからでは無い。
だが、彼女はいつも自分たちから一歩引いているように思う。
だからなのか、選手たちの小さな変化にも気づき、何かあれば声をかけている。
それが、彼女のいい所で、みんなはそんな彼女の人間性に引かれている。
しかし、やはり彼女は自分たちと距離を空けている。
鮫柄は男子校で、普段学校も違う彼女が一人でマネージャーのような仕事をしているため、どうしても遠慮がちになるのだろう。
しかし、水泳部には、女子がいることに反感を持っている人間は一人もいない。
むしろ、みんなが彼女に感謝しており、大切に思っている。
それを、どうにか彼女に伝えたいと思った。
『でも、一番見てて熱くなるは、
やっぱり凛の泳ぎだね』
凛「！！」
『明日も楽しみにしてる
がんばれ、凛』
凛「、、、
あぁ、任せとけ」
.
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作者名：H.A. | 作成日時：2021年2月3日 4時
