モーニングコール＃２ ユノ〜Call Me Maybe〜

悩む！〜ユノside〜 ページ34

時計を見れば、まだ18時。
帰るにはまだ早い・・・

『ヤァ、ドンヘー！』
ｄ『...んぅ？』

同郷のよしみで仲の良いドンヘは僕とは別のダンスグループで練習している。
半日とはいえ、休みがもらえた今日。本当なら仲間を誘ってボーリングでも行きたいけれど、生憎みんな仕事で捕まらなかった(泣)

レッスン後だというドンヘを引きずり回す理由は、
１.ひとりになりたくないから。
２.ドトラに会いたくないから。
３.メンバーへの言い訳が面倒だから。
どれも正解で、どれも違う気がする・・・

『あ”〜〜！！』
ｄ『なんだよ、ユノ〜』

カラオケの個室でスヤスヤと眠るドンヘを叩き起こして。
このモヤモヤをどうにかしてほしいと切に願う。

『寝るな！ 俺が寂しいだろー！』
ｄ『あ、ごめん。何か疲れちゃって・・・』

『何か歌え！ 癒しをくれ！』
ｄ『へ？ムチャぶりもいいとこ・・・』

困ったように眉を下げてるけど、ちゃんと曲を選び始めたドンヘはやっぱり可愛いヤツ。
どうして宿舎に帰らないのか聞かないでくれる。
そういうとこ、分かってないようでちゃんと察してくれるのな(笑)

ｄ『俺、さっきまで練習で歌ってたのに〜 ん〜と、コレにしよ・・・』

流れてきたイントロは事務所の先輩グループH.O.T.の♪幸福。
僕も好きな歌だから一緒に歌った。

♪〜(※一部日本語訳)
目を閉じて 君を描いた 心の中に 君を探したんだ
これからずっと 僕を明るくしてくれる光が見えるよ
ねぇ、君はもう 僕との幸福を逃すことはできないんだ...
♪〜

『・・・最高だな』
ｄ『・・・うん』

目を閉じれば・・・か。
僕の想い描く人はAさんだった。
そうだよ、ドトラちゃんのことで悩むことはない！！
僕は、僕の運命の人のことを考えなくては！！

『そうだよ！』
ｄ『急に何？』

戸惑ってるドンヘは放っといて、僕は携帯を片手に意気揚々と部屋を出た。

『また電話する！ サンキュ、ドンヘ！』
ｄ『え？・・・えぇ〜！？』

次に僕が起こす行動は決まっている。
見慣れたディスプレイの呼び出し番号・・・

緊張して手がプルプル震えるのは気のせいだ、きっと。
発信ボタンを押して始まるカウントダウン。

10、9、8、7、、、

彼女はなかなか電話に出ないし・・・徐々に不安が押し寄せてくる。

6、5、4、3、、、

『・・・ぬぁッ！』

突然の電話に拒否られたら、と最後の最後に怖気づいて。
終了しようとした瞬間、聞こえた声。




A「――― ユノ君？」

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