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「あれ?オンニ、オッパにはしないの?」
ケーキの食べさせ合いなんて普通にしていた恋人時代。
オンニだってそれを目の当たりにしていたんだから、今オンニとオッパがしたって不思議じゃないのに……
なのに、私の言葉にピシリと固まった2人。
あれれ?と思いつつ、オッパに聞いてみる。
「オンニにしてもらいたいでしょ?」
「え!!いや…それは…やっぱり…その……」
「え?して欲しくないの?」
「そんなことないよ!!……あっ。」
私の問いかけに思いっきり勢いよく否定したオッパは、すぐに自分の発言に固まる。
オンニを見れば、頬を染めて下を向いてる。
……えっ。
何この中学生の初恋みたいな展開……
え…え??
この人たち私より3歳上だよね?
『あ〜ん♪』も出来ない初さって何なの!?
信じられない思いで二人を見れば、ゴホンとオッパがわざとらしい咳をしてあらぬほうを向く。
「なんか…私が恥ずかしいんだけど……」
そう言いながら、ケーキをすくったフォークをオンニに差し出す。
「え??」
「とりあえず。何だかいたたまれないから、オッパに食べさせてあげて?」
「えぇ!?」
「ほら。グイッとやっちゃった方が恥ずかしくなくなるから!!」
ふんわり淡いピンク色したこの空気を何とかしてもらいたくて、オンニを急かす。
私の訳の分からないアドバイスと勢いに流されて…
「ド…ドンへ…あ〜んっ…」
て、照れながらフォークをオッパの前に差し出す。
隣の私が見ててもすごい破壊力を持った可愛さで。
オッパが口もとをフニョフニョさせながらパクリと頬張る。
すぐに両手で顔を隠したオッパが、小さい声で『今日は記念日だ…』って言ったのを私は聞き逃さなかった。←
しかし、本当に好きな人だとこうも違うんだなぁ……
卑屈でも何でもなく。
本当にそう思う。
ちょっとしたことでお互いへの愛しさが溢れてて。
今まで見たことの無いオッパとオンニの様子に心がホカホカする。
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作者名：HARU
| 作成日時：2015年9月30日 21時
