君の耳に青いピアス (ページ20)

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「A好き。愛してる……」

「私も…。ドンへの事が好き。」

「愛してるは?」

ちょっと不満そうな声が聞こえて、クスクスと笑えばクイッと顎をとられる。

「言って……。」

「…………。」

「ほら……この唇で…俺に言って?」

そう言いながら、言わせないようなキスが降ってくるから…。

そのキスが深くなる前に。
手でドンへの唇を押さえて…

「愛してる…」

って伝える。

ニッコリと手の下で口が笑うのが分かって、くすぐったい。

「キャっ!!」

ペロリと手のひらを舐められて驚けば、ニヤリとしてやったりな顔をするドンへ。

また、唇が降ってくる……手前で『あぁ!!』っとドンへが叫ぶ。

「な…何!?」

「時計……車に忘れて来た…」

「時計??」

何の事だろうと首を傾げれば、片手を取られてチュッと手首にキスされる。

「ここに毎日おさまる青い時計。」

「私に……?」

「そう。きっとすごく似合うよ。それに…」

「それに?」

「腕時計はどんなに触っても、落とさないでしょ?」

ニヤリと笑ってそう言うドンへに、もう!!って怒って。

それも続かずに、2人で笑う。

両耳にドンへからもらった青いピアス。

手首にドンへからもらう予定の青い時計。

きっと毎日つけて。

きっと毎日触って。

今度は、愛される幸せに笑をこぼす。

そんな日々が簡単に想像出来て。

『ありがとう』って伝えて私からキスをしたーーー

Fin