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「行こう…?」
そう促されて、初めてのドンへと一緒に乗るエレベーター。
その中でも離されない手に、ドキドキが高まる。
いつもはなんて事無い鍵を開けるという行為も、手が震えてなかなかできなくて。
焦れたようなドンへの手が後ろから添えられてガチャリと鍵が開き、押し込まれるように玄関に入る。
いつもと変わらない部屋で、はじめて感じるドンへの香り……。
ガチャリと後ろで施錠する音が聞こえたと思ったら、グイっと玄関の壁に押し付けれて。
また噛み付くようなキスが降ってくる。
今度は戸惑わずすぐに首に腕を回せば、キスの合間に靴を忙しなく脱いで部屋に上がる。
抱えられるように移動しながらもやまないキスに蕩ける頃、気が付けばベットに沈められていて…。
「…んっ」
耳に感じる唇の感触。
シャラりと何かが頬をすって、見上げたドンへの口にはキラキラ青く輝く小さなハートがさがったピアス。
それを手に取って、ベッドサイドのテーブルに置くドンへ……
その動きすべてがなんとも言えず妖艶で。
目を逸らすように反対を向けば、もう片方の耳にも感じる唇の熱。
同じ様に取り去ったピアスを置いて、見つめあった瞳に浮かぶのは綺麗な綺麗な涙…
「A……好きだ。」
こぼれ落ちそうなほど潤んだ瞳をつぶったのはどちらが先だったか…
私たちはギュウギュウに抱きしめ合ってたくさんの『好き』と『愛してる』を繰り返す。
言葉の合間にキスをして…キスの合間に愛を囁きあって……
こんな幸せな時間があるのかと言うほど、お互いの体に溺れたーーー
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作者名：HARU
| 作成日時：2015年9月30日 21時
