13(DH) ページ14
「妹みたいにって…」
「そうだよ。いつでも優しくて、わがままを聞いて甘やかしてくれて。まるで、妹を可愛がるお兄ちゃん。」
『何度も素敵なお兄さんですねって言われたんだから。』
って、笑うラナの言葉が嘘じゃないってわかるから……
「ごめん…」
「やだ!!謝らないで。こうやって高いコートも買ってもらえたし!!」
冗談めかしてコートの入った袋を掲げる。
「ラナ…」
「オッパのことも大好きだけど、同じ位オンニの事が好きになっちゃったから。……オッパが自分の気持ちに気が付くまでにしようって決めてたの。」
「ごめん…本当に…」
「だーかーら!!謝らないで!!…ありがとうって…今まで楽しかったって言って…?」
笑ったままのラナの頬を涙が伝う。
きっともうそれを俺が拭っちゃダメだから…
「ラナ…ありがとう。すごく、すごく楽しかった。」
そう目を見てちゃんと伝える。
「うん…。私も楽しかった。……オンニをちゃんと捕まえてね。」
そう言うと、コートの袋を持って立ち上がったラナ。
「きっと、このコートを着る頃にはオッパの妹で居れるはずだから…今度はオンニとのデートに私を呼んでね?」
最後にそう言って、カフェを出ていくラナの後ろ姿を見送る。
自分の気持ちに気がつけなかったばっかりにラナを……いや、今までの彼女を傷付けてきただろう事実に胸が痛む。
けど。
ーーーもう、間違わない。
俺のわがままに付き合ってくれて。
しょっちゅうピアスを落としちゃう抜けたところがあって。
ピアスを返すと、嬉しそうに笑う……A。
今は恋人がいるけど…
それでも何度でも伝えるよ。
Aが好きだって……
あのピアスが揺れる耳に触れていいのは俺だけだ!!って思ったら………
ピアスをつけるために耳に少しだけ触れた瞬間の『…ぁ…』っていう甘い声を思い出して……。
急激に頬に熱が集まるのを誤魔化すようにコーヒーを一気に飲み干した。
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作者名：HARU
| 作成日時：2015年9月30日 21時
