最低な小説の主人公

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『ユン･ソンインと申します。』

そう自己紹介した男性は、さっきの男性とは比べ物にならないほど洗練された人で。

ーーー私の出番は無さそうだ。

そう安心する。

姉は自分の価値をきちんと認識していて、それに見合うものにしか動かない。

言うなれば、生まれ持っての女王様。

その女王様と対等に渡りあうというこの男性は、生まれ持っての王様なんだろうなぁなんて思う。

『私が望むことはたったの2つだけです。』

『お2つですか?』

『えぇ。この会社のCMをしているSuperjuniorを私が筆頭株主である限り外さないこと。それから、彼らにはきちんと見合った報酬を払うこと。』

『…え…?』

『難しいことではないでしょ??』

小首をかしげながら言う姉と、思いっきり戸惑ってる社長さん。

思わず吹き出しそうになるのを必死でこらえる。

『あ…あの……』

さっきの洗練された王様はどこに行ったのか、今は初めての問題に右往左往する子供のようで。

惜しいなぁ…8点。
そう評価を付ける。

『私、Superjuniorのペンなんです。彼らがいるからここに決めて、彼らがいる以上支援だって惜しまないつもりです。』

つまり…Superjuniorが離れた時点で、自分も離れるという宣言。

はぁ……。
本当にやり手で、その気になれば国だって買えそうな人なのに…。

動く動機がアイドルっていうのが痛すぎる(泣)

いや。
そんなことが動機だから平和なのか。

とりあえず、言いたいことを言って満足しちゃった姉が社長さんの話を聞くはずもなく……。

唖然とする社長さんを残して会社をあとにした。

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