最低な小説の主人公

-38-(DH) ページ39

『ドンへ??』

訝しんだヒョンの顔。

本当に自分で自分が何をしちゃってるかわからないほどで…

焦ってアワアワと手を無意味に振る。

『ふふ。』

後ろで笑い声が聞こえて……

そ〜っと振り返ったら、Aちゃんが手を口にあてながら笑っていて。

か…可愛い。

デレっと自分の口元がだらしなくなるのがわかったけど、もうそんなのかまってる暇はなくて…

笑ってるAちゃんを見るので忙しい←

『ドンへさんて、面白いですね。』

もう二度と言ってもらえないと思ってた名前を呼ばれて…

もしかして、昨日の事許してもらえた…?

そんな都合のいいことを考えてたら、Aちゃんが不意にハッとなって急に笑顔が消える。

……やっぱり、まだ怒ってる(泣)

『ドンへ?どうした??』

ヒョクが俺の隣に来て、肩を組みながら顔をのぞき込んできたから。

ヒョク〜とそのまま抱きついてみる。

『やっぱり……』

小さな声が聞こえて、ヒョクと二人してハッとして勢いよく離れる。

昨日誤解されたばかりなのに、ウネってどうする!!

『ち…違う違う!!』

ヒョクがAちゃんの前にズイっと出て弁解する後ろで、俺も必死に首を振る。

なのに、Aちゃんは何度か一人でうんうんと頷いてさっさと立ち去ってしまった。

『Aちゃん!!』

ってヒョクが追いかけていくのを呆然と見送る。

西園寺さん……この場合どうやって頑張ったら良いですか…(泣)

呆れたようにこっちを見てる西園寺さんに、一生懸命助けてって視線を送ったけど…

案の定、ため息をつきながら無視された(泣)

……その後は、ちょっと離れた位置からAちゃんをチラチラ見るのが精一杯で。

俺、どんだけヘタレだよ(泣)

もう泣きたい気持ちになった時《ドンへヒョンの番だよ。》ってリョウクに笑顔で声をかけられた。

はぁ…。

ため息をついて立ち上がる。

ただでさえ話せないのに、撮影…

その間に帰ってしまうんじゃないかと思うと、ホントため息しか出ない。

重たい気持ちをまたため息で吐き出して、ライトの下へと歩いていった。

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