最低な小説の主人公

-35-(DH) ページ36

確かに。

確かに、最悪なイメージを拭う機会が欲しいと思ってたし、なんとしてももう一度会いたいと思っていた。

けど。

その機会が昨日の今日なんてどうしたらいいかわかんないよ〜(泣)


ーーーメンバー全員での雑誌の撮影。

ちょっとカッコイイ系のコンセプトでみんな髪をバッチリ決めてスーツ姿。

俺も前髪を片側だけ上げて、《かわいい》を切り離す。

なんだかSJが特集される雑誌らしく、個人ショットまであって今はヒチョルヒョンの番。

楽屋に戻ったメンバーもいるけど、特にすることもないし…

コーヒー片手にスタジオの隅で撮影を見学中。

ヒョンってやっぱり綺麗だよなぁ…なんてぼーっとしてたら、スタジオの入口が空いてそこから現れたのはスタッフさんに連れられたーーー西園寺さんとAちゃん。

ガタリと音を立てて椅子から立ち上がってしまった。

幸い、2人のところまで音は聞こえなかったようでこちらには気付かれていない。

Aちゃん…

姿を見ただけで、昨日の甘いキスを思い出してカーッと体が熱くなる。

しかも今日は昨日の着物姿とは全く違う格好で。

ほっそりと白い手足を惜しげもなくさらした膝丈の淡いブルーのワンピース。

ふんわりとしてるのに腰のあたりが少しタイトで、昨日隠されていたボディラインもしっかり見て取れる。

それにつやつやの黒髪はポニーテールにされてて、綺麗な首筋が見えちゃうし……

昨日よりぐっと幼い雰囲気なのに、天女様の美しさは微塵も陰らなくて…

見つめてしまった視線をそらすことが出来ない。

どうしよう……。

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