最低な小説の主人公

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『西園寺様。』

シウォナと姉が話はじめようという段階で、スーツ姿の中年の男性があらわれる。

ーーー部屋が用意できたみたいね。

さっきまでは憂鬱でしかなかったけど、旧友にあったとなっては話は別で。

ゆっくり人目を気にせずに話せるのはありがたい。

『お部屋のご用意が整いましたのでご案内致します。』

『ありがとうございます。Superjuniorの皆さんは?』

『別のものがお声をかけに行っておりますので…。』

チラリと会場内に目をやれば、確かに数人Superjuniorのメンバーが声をかけられている姿が見える。

『それでは、よろしくお願いします。……ドンヘさんとヒョクチェさんもご一緒に行かれますか?』

シウォナは最初から一緒に移動する予定に組み込んでるから←
くっついてきた２人はどうするのかと声をかける。

とたんに、カチーンと固まった２人。
かと思ったら、首筋まで赤くなりながらブンブンと勢い良く首を縦に振る。

この人達大丈夫かしら………。

アイドルと言うには行動が不審過ぎて。

けど、なんかちょっと可愛いかも………。

ニコニコの笑顔になって後ろをついてくる子犬2匹に、自然と笑みがこぼれた。

パーティー会場からそれほど離れていない部屋。

流石に本会場よりは小さいが、充分な広さと数ヶ所にテーブルセッティング。

テーブルの上には料理がいくつか置かれていて。

パーティー会場では立食だったけど、ここではゆっくり食事が出来るように配慮されている。

壁際にはドリンクも綺麗に並べられているし、バーカウンターまである。

………最初から予定されてたみたいね。

おそらく、姉がファンだと知った時から準備されていたんだろう。

急きょ準備しましたという割には、完璧すぎるから。

だけど、きっと最初から用意していたなんて言わないだろう。

ほら。

『急な事なのに、こんなに準備出来るなんてすごいね!!』

『さすがだよなぁ!!』

部屋を見渡して、簡単に騙されてくれる子犬2匹。

どうやったらこんな純粋に育つのかしら…?

鬼畜キャンペーンのせいで、すっかり本人も悪い男だろうと思いこんでいたけど……。

純粋培養されたような姿を見れば、その認識を改めなくちゃとも思う。

けど……。

さっきから、隣のヒョクチェさんの腕に絡まってみたり手をつないでみたり、シウォナに抱きついてみたり。

あぁ!!
そっち系の人だったのか!!←

と軌道修整することにした。

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