ほんの数週間。 (ページ2)

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プルプルと震える携帯と………彼からの時だけに鳴る音楽。

飛びつくように携帯を手に取って。

やっぱり間違いないく表示された名前に……もう泣きそう。

震える手をなんとかなだめて、その電話に出れば

「ヨボセヨ?」

って、優しい変わらない声。

「ヨボセヨ～………A?」

「…ぅん……」

返事をしない私に彼が名前を呼んで。

やっと出た声は、隠せないくらい震えてて。

「バカA。」

あの日。
真っ暗な部屋で泣く私に言ったように、ちょっと困ったような…

ーーー愛しさの溢れる声。

「今日……終わったよ。」

「……ぅん…。」

「オンマとヒョンが来てくれた。」

「……ぅん…。」

「すっごくキツかったけど。」

「……ぅん…。」

「いっぱい年下の友達も出来たよ。」

「……ぅん…。」

「それから……。」

「……ぅん…。」

「…………いい加減…名前呼んで…?」

「……ぅん…。」

「(笑)だ～か～らっ!!……Aに名前呼んで欲しい…」

「ド…ンへ……っ」

「…うん。」

「ドンへ……」

「…うん。」

「ドンへ……。」

「……………ぅん。」

何度も何度も愛しい名前を呼べば、電話越しの声が小さくなって震える。

「お…疲れ様…でし……た。」

言わなきゃって思った言葉をなんとか紡げば、また小さく『……ぅん。』て返ってきて。

胸の中に愛しさと会いたさが溢れて、それが涙となってどんどん頬を濡らす。