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「暖かくなってきたから屋上行かね？」
そんな彼女の呟きから昼休みは屋上で過ごすことになった。人目を避けるために塔屋の影に座る。
「あ、いいなぁ。唐揚げ」
「いいでしょ。あげないよ」
「ちぇっ」
「きのこ炒め食べてくれたらいいよ」
「君もうきのこに呪われとけ」
なんて調子で昼食を終えると、Aさんが大きな欠伸を漏らした。
「ねっむ」
「やっぱりちゃんと寝てなかったんだね」
「まぁね」
「“まぁね”って…」
説得する気力も失せ、呆れた。そんな事、最も非効率的だ。体調管理を怠ったら身体の全てに影響が及ぶ。
生活の基盤を明らかに軽視する彼女に、今更ながら危機感を覚えた。
そして、彼女はその危機感が欠如している気もした。
「だって、寝たら勿体ないじゃん」
「何が勿体ないの…？」
「好きなことする時間」
「……」
(でもそんな生活を続けたら…)
僕は開きかけた口を閉じた。彼女の生活に横槍を入れるのは行き過ぎた傲慢だ。それに、例え彼女の身を案じて口出ししても、危機感に気付けていないAさんには、多分無意味。
(なら、僕が今すべきことは)
「眠いなら寝たら？保健室行く？」
「イヤ、いい。ちょっとここで寝るわ。予鈴鳴ったら起こして」
「良いよ。おやすみ」
「……おやすみ」
Aさんは膝を抱えて眠りについた。残念ながら顔は腕の中に伏せていて、寝顔は拝見できそうにない。
手持ち無沙汰になった僕はゲームで時間を潰すことにした。
暫くすると、不意に肩に重みがかかった。
Aさんが僕に寄りかかってきたのだ。体勢が変わった所為か、彼女の腕は膝からずり落ちて床にだらんと垂れている。
ゼロになった距離。密着した体。彼女の温もり。
それらを認知した途端、鼓動が早くなり心臓が痛くなった。けど不思議と嫌ではない。初めての感覚だ。
一度だけ、馬鹿正直に
(あの時は一ミリも共感できなかったけど……
今なら、少しだけ分かる気がする)
惚けた頭で彼女を見ていると、床に投げ出され手に視線が止まった。
(Aさん、手にホクロあるんだ…)
なんとなく、彼女の手を握った。
そこに深い意味なんて無い。ただ、握りたいと思ったから。
バレなきゃセーフ。その思考に完全に汚染されて、僕は彼女が起きるまでずっと手を握っていた。痛くないように、優しく。でも放さないように、強く。
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楽空(プロフ) - 空木さん» 返信遅くなりましたが、ありがとうございます。頑張ります！ (2022年9月17日 2時) (
レス) id: ac5eac6eff (このIDを非表示/違反報告)
空木 - ウインボはあんまり無いかな...と思って検索したらまさかの康人くん(推し)で吃驚しましたありがとうございます...‼更新頑張って下さい！！ (2022年8月4日 18時) (レス) @page16 id: 7a7324414c (このIDを非表示/違反報告)
楽空(プロフ) - 柚莉愛さん» ありがとうございます。モチベめちゃ上がりました。がんばります。 (2022年6月16日 21時) (レス) id: 0b829f5534 (このIDを非表示/違反報告)
柚莉愛 - 頑張ってください！応援してます！ (2022年6月14日 15時) (レス) id: cefdbc04a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白さん。 | 作成日時：2022年2月6日 23時
