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(やっぱりそう上手くはいかないか…)

翌日、購買で購入したカガロ食品のカフェラテを手に、伊礼は教室に向かっていた。
苦悩の発端はやはり自身が告白してから変わり始めた恋路。平たく言えばAとのこれからである。

昨日、何とか発展させようと昼休みに彼女の隣に行ったは良いものの、初手で焦って揶揄いまくるという謎行動をしてしまいスタートとしては最悪である。Aの性格故か許されはしたが忠告通り次は無いだろう。慎重にやらねば。

だがしかし、伊礼は初心(ウブ)である。恋愛に関しては何一つとして分からない。何故なら中学生の頃、彼は誰とも付き合った事が無い。と云うか好きな人さえできていない。つまりAが初恋であり伊礼の人生初めての恋仲(仮)という事である。

(想像以上に面倒だな、恋愛って…)

自分から告白したくせに随分な言い草だ。
告白の際勢い余ってしくじった失態は都合良く忘れている様子。

告白というモノは、隣にいて良いかの許可を尋ねている訳では無いのだと、ちゃんと分かっているのに。


そもそも、何故自分は彼女を好きになったのだろうか。


素朴な疑問が伊礼の脳裏に浮かんだ。
気付いた時には漠然と好意を抱いていたのだ。


女子の中で1番交流が深かったからだろうか?

通学の際、よく同じ電車に乗り合わせるから?

作ったアプリを思いの外絶賛されたから?


悶々と自問自答を繰り返すも、しっくりくる答えが出ないまま教室に着いてしまった。

(あぁでも、一つだけ確かなのは)

廊下からAの席に視線を向けると、彼女はスマホを手に後ろの席の男子と話している。最近流行りの音ゲーについて話しているのだろうか。彼女が得意なジャンルだし、きっとコツか何か聞かれて渋々教えているのだろう。

彼女は何かと、断れない性格だから。

(Aさんと話している相手に一々嫉妬してまう自分が気に食わないって事くらいかな)

さて、口実もあるし(頼まれた物を渡して)早々に二人の会話を終わらせよう。自分がまた、醜い嫉妬をしてしまう前に。

扉を開け、伊礼は真っ直ぐAのもとへ歩いていった。
 
 
 

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設定タグ:ウインドボーイズ , ウインボ , 伊礼康人   
作品ジャンル:ラブコメ
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楽空(プロフ) - 空木さん» 返信遅くなりましたが、ありがとうございます。頑張ります! (2022年9月17日 2時) (レス) id: ac5eac6eff (このIDを非表示/違反報告)
空木 - ウインボはあんまり無いかな...と思って検索したらまさかの康人くん(推し)で吃驚しましたありがとうございます...‼更新頑張って下さい!! (2022年8月4日 18時) (レス) @page16 id: 7a7324414c (このIDを非表示/違反報告)
楽空(プロフ) - 柚莉愛さん» ありがとうございます。モチベめちゃ上がりました。がんばります。 (2022年6月16日 21時) (レス) id: 0b829f5534 (このIDを非表示/違反報告)
柚莉愛 - 頑張ってください!応援してます! (2022年6月14日 15時) (レス) id: cefdbc04a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白さん。 | 作成日時:2022年2月6日 23時

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