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席に戻ったAに伊礼はホッと一息付く。そして少しの間沈黙が続くと、彼は観念したように口を開いた。
「……正直に言うと、恋人としての距離感が分からなかった」
「ﾌﾞﾊｯ」
「ちょッ、汚っ。ていうかなんで吹くのッ」
「待ってッ…距離感????距離感分かんなかったから、いきなりイジってきたの????」
「……そうだけど」
「ﾋｨｯｯｯ(ツボった)」
「うるさいなぁ…」
伊礼は心底嫌そうに顔を歪めるが、Aは“あの伊礼君がッ”と笑いが止まらない。
良い意味でいい性格してるリスクヘッジ云々云ってる伊礼が、高校生らしく恋愛に戸惑っているさまはぶっちゃけ一週間は笑える。
「はぁ…笑った笑った…」
「そんなに笑えることじゃないでしょ…」
「イヤめっちゃ笑えた」
「ふーん。そう」
「そう拗ねるなよ〜。これでお相子、でしょ？」
「…そーだね」
告白同様言い出しっぺは自分の為、伊礼は強く出れない。
その姿がまた面白可笑しくて笑いかけたが、そろそろ可哀想になってきたのでAはグッと笑いをこらえた。偉いぞ。
お弁当に手をつけながらいつものように雑談を開始する二人。恋人なら互いに食べさせ合う通称『あーん』が起こりうるが、そう意識して過ごすこともあるまい。人それぞれにペースがあるのだ。
「はい、あげる」
「ねえ待って顔に直接寄越さないで。せめて弁当でしょ」
「それじゃあ恋人っぽくないでしょ」
「単に椎茸食べさせる為の口実でしょーがロマンの欠片も無いな。てかまたか椎茸。君椎茸嫌いなのになんで毎回弁当に椎茸入ってんの」
「嫌いだからこそ克服しろって意味合い込めて入れてるんだって」
「理由知ってんのかい。じゃあ克服しなよ」
「別に克服しなくても食事に差し支えないし」
「おふくろさん泣くよ？」
「バレなきゃセーフ」
「……せやな!」
「今メンドくさくなったでしょ」
「バレたか」
「逆になんでバレないと思ったの。じゃあハイ、食べて」
「ヤダよ。私別に椎茸好きじゃないし」
「ならホラ。君の好きなおかずあげるから」
「イヤ特に好きなのないっすわ」
「はぁ……カガロのカフェラテ」
「ノッた」
「チョロい」
「うっさい」
結果『あーん』は弁当箱を経由して行われ、後日伊礼は購買のちょっぴりお高いカガロ食品のカフェラテをAにご馳走することになりましたとさ。そこまでして椎茸食べたくないか伊礼康人。椎茸の気持ち考えろ泣くぞ。
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楽空(プロフ) - 空木さん» 返信遅くなりましたが、ありがとうございます。頑張ります！ (2022年9月17日 2時) (
レス) id: ac5eac6eff (このIDを非表示/違反報告)
空木 - ウインボはあんまり無いかな...と思って検索したらまさかの康人くん(推し)で吃驚しましたありがとうございます...‼更新頑張って下さい！！ (2022年8月4日 18時) (レス) @page16 id: 7a7324414c (このIDを非表示/違反報告)
楽空(プロフ) - 柚莉愛さん» ありがとうございます。モチベめちゃ上がりました。がんばります。 (2022年6月16日 21時) (レス) id: 0b829f5534 (このIDを非表示/違反報告)
柚莉愛 - 頑張ってください！応援してます！ (2022年6月14日 15時) (レス) id: cefdbc04a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白さん。 | 作成日時：2022年2月6日 23時
