第三譚 幕開けの爆音 ページ4
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耳を劈く程の大音量がAの鼓膜を揺らした。
突然のことに目を白黒させて飛び起きる、しかしその拍子に真横にあった仕切り板に頭をガツンとぶつけてしまった。
「うぉぉっ...!!」
痛む箇所を抑えて変な唸り声を上げながら悶絶する。
傍から見たらさぞ滑稽なのだろうが、そんなこと気にしていられない程の激痛に耐えることに精一杯で正常な現状把握ができなかった。
代わりに半狂乱なAの全細胞が全力で訴えかける。
何が起きたんだと。
数秒経過し、漸く冷静さを取り戻した脳が機能し始める。
すると知らない内に車内のアナウンスから気が付いた。
如何にも胡散臭そうな声でそれでいて何か不穏な恐ろしい声だった。
「今ので2、3人は死んじゃったかな
でも、次はこんな
「...ぇ」
___死んだ?
固まる躯とは正反対にAの耳は冷静にアナウンスを聞き入れた。
先頭と最後尾の車両にこれの倍以上の威力を持つ爆弾が仕掛けられているらしいとの事。
そして“被験者のあつし“?という人が首を差し出さない限りAたちは月まで吹っ飛ばされる、即ち死んでしまうのだそう。
この衝撃的事実から導き出される答えは幾ら錯乱状態なAでも一瞬で理解できた。
これは、とても拙い。
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作者名:食べかけの春雨さん。 | 作成日時:2019年10月11日 23時