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ep288 ページ41

道を抜け、走り続け、やっと辿り着いたその先には



「よぉ、遅かったじゃねぇのォばなっちゃん」


松平長官率いる将軍派の群勢が天導衆を退却せしめた後だった。


手当てされた全蔵さん達と将軍様を一瞥してから


「間に合ったようで……ありがとうございます」


銀時を神楽ちゃんに預け、頭を下げた。


「おうよ。俺の参謀が正々堂々と職務放棄してくれてるみてぇだったからなぁ」


射抜くような長官の視線は、怯むに十分すぎるほど鋭く、冷たかった。



当然だ。


将軍を守れと命じられた作戦参謀が将軍ほっぽり出した挙句、過去の私怨をぐだぐだやってんのがインカムで筒抜けだったんだから。


天導衆の関与に気づいた時点で私が将軍の元へ行こうが敵には痛くも痒くもない。結局は頭数の多い方が優勢。

ならばと思って、全員のインカムを開通させ、それを聞いた長官達が状況を察してここへ戻ってきてくれることを期待した。


結果論では上手くいったが悪手としか言えない作戦だ。

将軍様を護るためとは言え、聞く方だって聞かれる方だっていい気持ちはしない。

過激派攘夷の頭である高杉晋助を死ぬ気で助けようとする参謀の言葉なんて――。




だけど……



「申し訳ありませんが後悔はしてません」


そう、後悔なんてしないし、できない。

あの瞬間、晋助を護ると決めた自分のために。


長官の参謀である前に私は松下村塾の橘A。そしてその橘Aを作り出したのは高杉晋助だったからだ。


その根っこの根っこを自ら切り倒すことなんて出来やしない。



「落とし前はちゃんとつけます」


深々と下げた頭を起こして、仰ぎ見れば


「処分は決めておく。……で、あれはいいのか、重傷だろぉ?」


あれ、と言って銀時を指す長官。


それに私は「あぁ、あれは……」と身体を起こして


「大丈夫でしょう。幸い、急所は外れてるんで」


心配そうな皆に囲まれる銀時を見た。

すると銀時が懐から取り出したのは刀の刺さったジャンプ。


「あの時のジャンプ……続きが気になんなら半額よこせ」


そう言って全蔵さんに向けてにやりと笑った。

そんなもので急所を死守するとはほとほと悪運の強いことで……。


同じようなことを考えたらしい全蔵さんも呆れたような顔で


「読めるか」


と苦笑と共に吐き捨てる。



それと同時に安心した新八君たちが銀時を飛びつくように抱きしめる。

その姿を見て、ふと笑みが溢れた。



 

 

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ギラッフェ(プロフ) - ゆうゆさん» コメントありがとうございます!楽しみにして下さってて本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2021年3月1日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ひなたさん» コメントありがとうございます!テストに間に合ってよかったです。これからもよろしくお願いします! (2021年3月1日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうゆ - 更新凄く楽しみに待ってました!応援してます、これからも頑張ってください!! (2021年2月26日 1時) (レス) id: 90e018deaa (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - めちゃめちゃ楽しみにしてました!これからの展開が楽しみですこれで明日のテスト頑張れます! (2021年2月26日 1時) (レス) id: a90e951796 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - じゅうぞうさん» コメントありがとうございます!なかなか更新できずすみませんでした。応援ありがとうございます! (2021年2月26日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2020年8月29日 0時

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