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ep267 ページ20

「おいA、この道合ってんのか?」


高い崖の上を走りながら、銀時がそう言う。


「さっきからずっと上り坂ですけど……抜け道は地上にあるんですよね?」

「このままじゃ抜け道から遠ざかるネ」




3人にそう言われるが、頭に叩き込んだ伊賀の地図を思い起こすまでもない。

この道が正解だ。




「1番敵に鉢合わせない道がコレなの。多少坂がキツいのは我慢して」



そう言ってひたすら走り続けていると携帯が震えていることに気づく。

足は止めないまま、画面に映るインカムのGPSをじっと見つめた。




ちょうど私達の方へと近づいて来るGPSの動き――。



これ十中八九、全蔵さんだな。


私はそう結論づけた。




だがそれにしては動きが遅い……


手負いか……。
それも私達と同じように摩利支天に向かってるということは戦線から離れるつもりだということ。

もしかしなくてもかなり重傷だな。


インカムの通信も切られたままだし、一人で動けているとは思えない。


おそらく、さっちゃんさんが全蔵さんを運んでいると見て間違いない。




「将軍様、少しスピード上げますがいけますか?」



将軍様にそう伺うと隣にいた新八君が


「なんかあったんですか?」

と、聞いてきた。



「たぶん全蔵さんかなり重傷。早めに合流して手当てしたい」


その言葉に皆の顔つきが変わる。

「急ごう」と言った将軍様に従って私達はスピードを上げた。



 



そして地上へと降りる急坂に差し掛かる。



「ここを降ればちょうど彫像のところに出ます」

「行きましょう!」



そう言って坂を降ろうとしたその時、ピッという音がして誰かのインカムから通信が入った。


思わず立ち止まれば――――




《動くな!動けば全員のケツにこいつをブチ込む。
……痔は一生モンだぜ?ケツは大切にした方がいい》



――……全蔵さんの声。



生きてた、と安堵したのも束の間。

いや待てよ…とインカムから聞こえる会話に耳を傾け、状況がいかに芳しくないかを悟った。



「……まずい」


一縷の望みをかけて彼のGPSを確認するが、やはり全蔵さんの現在地は摩利支天彫像前に変わりない。



「どうした?」



そう振り返った銀時に、私は思わず口元に手をやって、絞り出すようにしか言えなかった。





「抜け道が敵にバレてる」




 

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ギラッフェ(プロフ) - ゆうゆさん» コメントありがとうございます!楽しみにして下さってて本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2021年3月1日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ひなたさん» コメントありがとうございます!テストに間に合ってよかったです。これからもよろしくお願いします! (2021年3月1日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうゆ - 更新凄く楽しみに待ってました!応援してます、これからも頑張ってください!! (2021年2月26日 1時) (レス) id: 90e018deaa (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - めちゃめちゃ楽しみにしてました!これからの展開が楽しみですこれで明日のテスト頑張れます! (2021年2月26日 1時) (レス) id: a90e951796 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - じゅうぞうさん» コメントありがとうございます!なかなか更新できずすみませんでした。応援ありがとうございます! (2021年2月26日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2020年8月29日 0時

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