ep151 ページ4
病院に到着し、車内に佐々木局長を迎えると車はすぐに来た道を引き返した。
「案外ピンピンしてるじゃないですか、佐々木局長」
「えぇ、人遣いの荒いどこかの参謀のお陰ですよ」
通常運転の嫌味を笑って流し、私はパソコンを開いてキーボードを叩き始めた。
「現状、見廻組の隊士どれくらい動かせます？」
「愚問ですね。既に全員に通達しましたよ」
手際の良さに思わず口笛が鳴る。そしてそれを聞いた長官が訝しげに尋ねた。
「ばなっちゃん、見廻組使うのはいいけどどうやって城内に忍び込むんだァ？」
言わずもがな、現在江戸城内は乱闘騒ぎの真っ只中。城から出て行く人間へのチェックは甘いが、入ってくる人間へのチェックはこの上なく厳しくなっている筈だ。
ならば、取るべき手段は１つ。
「こそこそ忍び込むんじゃなくて正々堂々入ってけばいいんですよ」
私は人差し指を立てて言った。すると隣に座る将軍様が「協力しよう」と言う。
が……
「入城の時点で貴方を遣うのは些か時期尚早です。切り札はここぞと言う時に遣わないと」
入城の時点で将軍様の存在がバレれば狸ジジイは何かしら先手を打つだろう。お披露目のギリギリまで将軍様の存在は隠しておいた方が得策。
「ならどうすんだァ？」
首を傾げて問う長官に私は返す。
「言ったじゃないですか、今回は白も黒も関係ないと」
その言葉に
「成る程。確かに彼等ならば味方に見せかけて容易に入城出来るでしょうね」
と言いつつ頷く佐々木局長。
一方の長官は
「オジサン置いて話進めんなやァ……全然理解できてないんだけどォ？」
不満げな表情でこちらに視線を注ぐ。私はそれを笑顔で返して言った。
「なぁに、簡単なことです。みんな黒になればいいんですよ」
だが依然目を白黒させたままの長官に仕方なくパソコンを閉じて説明する。
「前回のテツの一件と同じ手です。見廻組に黒の隊服を着せて、狸ジジイの応援に駆けつけた真選組を装う」
まぁ、真選組も見廻組もそんな気はさらさらない訳だが……
「幸い、あの狸ジジイは真選組は自分側の手駒だと勘違いしてくれてますからね」
その驕りに漬け込んでせいぜい寝首を掻き切らせてもらおうか。
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ギラッフェ(プロフ) - 腐った女子さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてすごく嬉しいです！励みにさせていただきますね！！ (2020年5月30日 15時) (
レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
腐った女子 - いつもこれが更新されるのを励みにしてます(笑) 更新頑張って下さい！ (2020年5月30日 1時) (レス) id: 59a5a46759 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 水神の狐さん» コメントありがとうございます！この回、性転換回というより野糞回だな…と個人的には思ってます笑笑 これからもよろしくお願いします！ (2020年5月1日 23時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
水神の狐(プロフ) - 安心と納得の野糞wwwめちゃめちゃすきです！！これからも更新頑張ってください！ (2020年5月1日 18時) (レス) id: 5a6fe00bf5 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ジャスタウェイさん» ありがとうございます！もうお名前からして同志って感じで嬉しいです！これからも宜しくおねがいします！ (2020年4月13日 16時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ギラッフェ
| 作成日時：2019年9月17日 19時
