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ep162 ページ15

その後、事故処理を終えた頃にはすっかり日付は変わり、冷えた風が吹いていた。
局長、副長、私は他の隊士を早々に屯所に帰し、3人だけで書類責務を終えてから江戸城の門を出た。



とっぷりと暮れた暗い空の下を屯所へと歩く。


いやぁ、夜は冷えますね……などと軽口を叩く心境にもなれなかった。


定々を斬ったのは晋助だ。証拠など何一つ無いがどこかそう確信していた。


――テメェはテメェの作った法に裁かれんのがお似合いだ


銀時はそう言った。

だが晋助はそうは思わなかった。だから斬ったんだ。
昔からそうだ。あの二人はしょっちゅう意見が対立しては殴る蹴るの大騒ぎだった。



……二人の道が違ったのは、あの時現状を受け入れるのが怖くて逃げた私のせいでもある……と思っている。私の驕りかもしれないけれど。


松陽が死に、攘夷戦争にも負けた。


私がその事実をちゃんと受け入れていれば……あの時『仲間』から逃げていなくても済むくらい強ければ――――……




いや、なによりも今は、せっかく生け捕りにした定定をみすみす死なせた自分が許せなかった。これじゃ、将軍の決断も銀時達の流した血も……全部無駄だ。


両腕をさすりながら背中を丸めて唇を噛み締めていると、前を歩いていた局長と副長がはたと立ち止まった。


「A君……」



こういう時、副長ではなく局長が口火を切るのはそれこそ彼等の真剣さの証拠なのだろう。

振り返った二人は言わなくても分かるだろう、とでも言うように黙ったまま私をじっと見つめた。


私はさすっていた両腕をすっと下ろしてその眼を見つめ返した。


「……そうですね、そろそろ話しましょうか。私が真選組の専属参謀となった本当の理由を――――」



私達3人は再び歩き始め、私は我ながらいつになく神妙に口を開いた。


「薄々気付いていたかもしれませんが、厳密に言うと私は真選組ではなく、松平長官の参謀です」


長官は将軍を守りたい、その一心で私を雇ったのだろう。それが何から守りたかったのか……かの狸ジジイだったのか天導衆だったのか攘夷浪士だったのか……あるいはそれら全てかは知らないが。





 

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ギラッフェ(プロフ) - 腐った女子さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてすごく嬉しいです!励みにさせていただきますね!! (2020年5月30日 15時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
腐った女子 - いつもこれが更新されるのを励みにしてます(笑) 更新頑張って下さい! (2020年5月30日 1時) (レス) id: 59a5a46759 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 水神の狐さん» コメントありがとうございます!この回、性転換回というより野糞回だな…と個人的には思ってます笑笑 これからもよろしくお願いします! (2020年5月1日 23時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
水神の狐(プロフ) - 安心と納得の野糞wwwめちゃめちゃすきです!!これからも更新頑張ってください! (2020年5月1日 18時) (レス) id: 5a6fe00bf5 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ジャスタウェイさん» ありがとうございます!もうお名前からして同志って感じで嬉しいです!これからも宜しくおねがいします! (2020年4月13日 16時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2019年9月17日 19時

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