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ep149 ページ2

目的の場所に着いた私は古びた扉を少し離れた所から眺めていた。

すると軋むような音と共に開いた先に頭巾を被った人影が現れる。私はゆっくりとその人影に近づき、地に膝をついた。


「よくここまでおいで下さいました……将軍様」

「すまない。待たせた」


短くそう言う彼に私は首を横に振る。


「謝るのはこちらです。貴方を担ぎ上げて、危険に晒してしまうのですから……」

「だが、そうしなければ流さなくて良い血が流れるのだろう」


「……流さなくて済むよう、全力を尽くします」


あの狸ジジイのせいで事情も知らない人間の血が流されるなんて胸糞悪い。こんな馬鹿げた国取り合戦……直ぐ終わらせる。


「……では行きましょうか」


そう言って歩き出した私達は江戸城外へと向かう。その道すがら携帯で繋ぐ先は――……



「あ、松平長官ですか?橘ですけど……」


《あァばなっちゃんか。どうだァ?そっち様子は……》

「どうもこうも……国取り合戦真っ最中です」


そう言って事の次第を掻い摘んで説明する。


《へェ、やっぱりばなっちゃん潜入させて正解だったじゃねぇか》


やめてくれ、こちとらいい迷惑だ。



「まぁそれはさて置き、長官のお力添えが欲しいんですよ。江戸の警察組織まるごと動かせます?」

《…………。》



急に静かになる通話先。


「もしもし、長官?……あのー聞こえてますよね?」


《ばなっちゃんの作戦ってなんでいつもそんなに突飛なのかオジサンよく分からないんだけど》


戸惑い気味に言う長官に笑いが漏れる。突飛って言われても……そうじゃなきゃ国なんか獲れっこない。



「大義名分はこちらにあるんで。……というか現在進行形で私の隣歩いてるんで大丈夫です」

そう言って携帯を差し出せば、それを受け取って大きく息を吸い込む将軍様。

「片栗虎……頼まれてくれないか?今回の件に協力してくれた者達は必ず不問にしてみせる。だから――……」


彼がそこまで言ったところで私はまた携帯をひょいと取って長官に言う。


「全警察組織……動かせますね?」

《……つくづくばなっちゃんが敵じゃなくてよかったと思うぜェ》

「ではまず手始めに将軍様と私を迎えに来て下さい。動こうにも使える足が無くて困ってたんです」


《門のとこで待っとけェ》



そう言って長官は通話を切った。



これで頭数は揃った。

さて次は――……




 

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ギラッフェ(プロフ) - 腐った女子さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてすごく嬉しいです!励みにさせていただきますね!! (2020年5月30日 15時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
腐った女子 - いつもこれが更新されるのを励みにしてます(笑) 更新頑張って下さい! (2020年5月30日 1時) (レス) id: 59a5a46759 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 水神の狐さん» コメントありがとうございます!この回、性転換回というより野糞回だな…と個人的には思ってます笑笑 これからもよろしくお願いします! (2020年5月1日 23時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
水神の狐(プロフ) - 安心と納得の野糞wwwめちゃめちゃすきです!!これからも更新頑張ってください! (2020年5月1日 18時) (レス) id: 5a6fe00bf5 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ジャスタウェイさん» ありがとうございます!もうお名前からして同志って感じで嬉しいです!これからも宜しくおねがいします! (2020年4月13日 16時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2019年9月17日 19時

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