【銀魂】前職：攘夷四天王専属参謀 参

ep131 ページ34

「全ての責任は自分にあるっす！切腹して責任取らせて下さい！！」

テツはグッと身体に力を入れて続ける。


「自分、元攘夷浪士だとバレるのが怖くて……みんなに迷惑かけたっす」


その隣で「いや、そういう流れにしたいわけじゃ……」とオロオロする銀時を置いて話は続く。


「何も知らないくせに偉そうなことを言って……手紙を届けることすらできなかった。
副長の兄上にも……自分の兄貴にさえも……」


膝の上できつく拳を握り、隊服を掴むテツに土方は言う。



「届かなかったんならもう一度出せばいいさ。今度は自分自身の手で……」


それにはっとしたように顔を上げたテツ。土方は続けた。


「約束しただろ、俺より強くなるって。次はテメエの番だ。
確かにテメエの兄貴には届かねえかも知れねぇ。でもお前と同じこのろくでもねぇ兄貴達にはきっと届くさ」


そう言って真選組の隊士達を横目に笑う。


「あぁ。字が読めるかどうかは保証しないがな！」


局長の軽口にその場ではドッと笑いが起こる。
目一杯に涙を溜めたテツはいよいよ抑えきれなくなってぐっと目を瞑って泣いていた。

そんなテツを見据えながら


「テツ……お前の手紙、俺達はいつでも待ってることを――……」


そう言っていた土方はぼやけ出した視界にふらりと足元が覚束無くなる。


「忘れん……な」


そしてその言葉を最後に地に向かって倒れ込んでいった。

皆がそれに気付きつつも息を飲むことしかできない中、現れた人影がすんでの所で土方を支えた。




「――……っと。……間に合った」



あまりに突然のことで茫然と立ち尽くす隊士達を振り返ったその人影――Aは


「まったく……あの重傷で平気なわけないでしょ。
笑ってないでちゃんと気かけときなよ、大切な副長なんだから」


叱咤して、溜息を吐く。



「で、重いんだけど……」


「あ、あぁ手伝います！！」


そう言って慌てて副長を支え、パトカーに乗せる隊士達。一方のAはテツに言う。


「テツ君、帰りあっちのパトカーでいいかな？」

「あ、はい。わかりました」



そう言って一台後ろのパトカーに走って行く後ろ姿を眺めつつ、Aは後部座席に乗り込んだ。そして


「あはは、銀時捕まってやんの」

「ざっけんな！！元はと言えばテメーがあんな指示出すからだろぉが！！」

「ちょっと、怪我人の隣で騒がないでよ」



などと言っているうちに助手席に沖田、運転席に近藤が乗り込んで車は発車した。







　

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