【銀魂】前職：攘夷四天王専属参謀 参

ep147 ページ50

「この城の中に貴方達の味方なんていない。国を獲る気でやらなきゃみんな死ぬ」

そう言って去って行った信女を見送りながら


――考えていることは同じか……なら都合がいい。


Aは暫し目を閉じた。そしてすっと瞼を上げると


「よし、国取り合戦だ」


ニヤリと笑って着ていた着物の帯を解き始めた。


「ちょ…お、オイッ！！」

「Aさん！？」


その瞬間、真選組を駆け抜ける衝撃。


「ンなとこで脱ぐんじゃねぇ！！」


慌てて隊服で隠そうとする土方だが「それじゃあ下が丸見えでさァ」という沖田にハッとして右往左往し始める。


そこへ


「トシ……これを使え……」

自らの隊服を差し出す近藤だったが……


「あぁ、ありが――……ってアンタは脱ぐ前から鼻血出してんじゃねぇよ！！！」


漏れなくツッコミ不足に陥る。
そして土方達がゴタゴタとしているうちに


ぱさっ……



着物が地面に落ちる音。



「オイ橘ッ！！」


この世の終わりかのような呻き声で振り返った土方だったが、その先にはいつもの黒服のAが立っていた。



「「え？」」

思わず固まる隊士達に


「チッ……」

舌打ちする沖田。


なんでコイツ着物の下にそんなん着込んでんだよ……みたいな視線を鼻で笑う当のAは


「はい残念でしたー。ラッキースケベなんて夢見てないで作戦の確認するよー」


意地の悪い笑みを浮かべて言った。
そして近藤の方にくるりと振り返る。



「局長、私の私物は……」

「あぁ、ここにあるぞ。……というかよくこんなに隠し持ってたな」

「実際バレて没収されたんですけどね……でもそのおかげで壊れなかったのは良かったです。これ結構お高いんですよ……」


そう笑いながら荷物の中からインカムを取り出した。いつも通り局長、副長、各隊長、山崎がそれを受け取って装着する。
それを確認してからAもインカムを付けた。




「——……では作戦共有といきましょうか」



　

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